千葉市、待機児童が初めてゼロに 熊谷俊人市長「これで終わりではない」

千葉市は4月10日、同市の待機児童がゼロになったと発表した。保育所を新設し定員を増やすだけでなく、保護者のニーズをヒアリングして、幅広い保育所を斡旋するなどの、きめ細かい対応を行ったことによる成果だという。
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千葉市は4月10日、同市の待機児童が初めてゼロになったと発表した。保育所を新設して定員を増やすだけでなく、保護者にヒアリングを実施して多様な保育所を斡旋するなどの、きめ細かい対応を行ったことによる成果だという。

市によると、2014年4月1日時点で、保育所の入所児童数は13,274人で、2013年より796人増加。保育所の新設などにより定員を増やしたほか、自宅周辺の保育施設だけでなく通勤路にある施設を斡旋するなどの対応を行い、国の基準での待機児童ゼロに至ったという。

4月10日に行われた記者会見で熊谷俊人市長は、希望者に対して「一軒一軒勤務先の住所等も聞いたうえで、新しくオープンした保育所の情報や、幼稚園の長時間保育の情報を提供し、ギリギリまで話し合いを行った」と話した。

保育施設の入所希望を聞く場合にも、第9希望まで増やし、より多くの選択肢で検討してもらうようにしたという。

また、求職を理由に保育施設の利用を希望する人のうち、行政が援助する認可外保育施設や保育ルームの利用者に対しては利用料金の補助を行うなど、入所者の負担を軽くするような支援も行っている。

しかし、熊谷市長は「入所待ち」とされる314人の存在に触れ、「これで終わりではない」と気を引き締めている。国の指定する待機児童の基準にはならないものの、同市には行政が支援する認可外施設などを利用する児童が130人、保護者が育児休業を継続した児童が9人、特定の保育所のみを希望する未入所児が175人が存在する。

熊谷市長は、これまで行ってきたきめ細やかな対応を引き続き行うとともに、量の整備だけではなく、多様なニーズに答えられるようなバリエーションの整備や、保育園の質を上げるなどの対策にも今後取り組むと述べている。

なお、待機児童ゼロの翌年には、反動も懸念される。2013年、待機児童ゼロを発表した横浜市では、保育所入所申し込みが増え、待機児童数は増加に転じているという。

待機児童を巡っては、去年4月、横浜市がゼロになったと発表しました。横浜市によりますと、その後、子どもを預けられるのであれば働きたいという母親や、横浜市への転入者が増えたため、保育所への入所の申し込みが急増したということで、発表から半年後の去年10月、待機児童数は231人になりました。

(NHKニュース「千葉市の待機児童 初めてゼロに」より 2014/04/10 17:19)

熊谷市長は「待機児童解消に向けたアクションプラン2010」を元に、将来のニーズを調査しながら取り組んできた結果だとし、同市の待機児童数が2011年が350人、2012年は123人、2013年は32人と徐々に減らしてきたものであるため「待機児童が、急に増えてしまうような反作用はない」との考えを示している。

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