ウクライナ、東部で親ロシア派の強制排除を開始 大統領代行が発表

ウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は4月15日、最高会議(議会)で演説し、東部ドネツク州北部で警察署などを占拠している親ロシア派の武装集団を強制的に排除する作戦を開始したと発表した。
EPA時事

ウクライナ暫定政権のトゥルチノフ大統領代行は4月15日、最高会議(議会)で演説し、東部ドネツク州北部で警察署などを占拠している親ロシア派の武装集団を強制的に排除する作戦を開始したと発表した。ただし、現地では双方の衝突などは伝えられておらず、こう着状態が続いている。MSN産経ニュースなどが報じた。

トゥルチノフ氏は「対テロ作戦を開始した」と述べた上で「作戦は段階的に行う」としている。対象の具体的な都市名や作戦規模などは示さなかった。作戦目的は「国家を分裂させようとする犯罪を阻止し、市民を守るためだ」と強調した。

一方、同州北部スラビャンスクで警察署などを掌握する親ロシア派筋は、インタファクス通信に「街が身元不明の武装部隊に包囲されている」と述べた。ウクライナ側のものとみられる装甲車などが周辺に配備されたという。

(MSN産経ニュース「【ウクライナ情勢】東部で親ロシア武装勢力排除開始 ウクライナ大統領代行」より 2014/04/15 19:03)

ウクライナ東部では、親ロシア派の住民が自治権の拡大を求めて州政府の庁舎などを占拠したのに続き、武装集団もドネツク州スラビャンスクなど複数の都市で治安機関の建物を占拠し、暫定政権が設けた期限を1日以上過ぎても投降する気配を見せていない。

トゥルチノフ大統領代行は、ウクライナを分断する試みを阻止するとしたうえで「作戦は段階的に責任を果たしながら慎重に行われるだろう」と述べ、多くの犠牲者を出さないよう慎重に行う考えを強調しました。

一方、スラビャンスクに入ったNHKの取材班によりますと、市内では親ロシア派の住民らが検問を続けていますが、ウクライナ軍兵士の姿は見えず、衝突も起きていないということです。

(NHKニュース「ウクライナ 強制排除発表もこう着状態」より 2014/04/15 19:08)

ロイター通信は、ウクライナ警察からの情報として、クラマトルスの警察本部を占拠していた親ロシア派勢力が15日、自主的に警察本部を明け渡したと報じた。また、ドネツク州の警察スポークスマンはロイター通信に対して「親ロシア勢力は自主的に撤退した」と語ったという。

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