インド最高裁、「第三の性」を認める

インドの最高裁判所は4月15日(現地時間)、身体的な性と自らの性認識が一致しないトランスジェンダーの人々を「サードジェンダー(第三の性)」として認めた。

インドの最高裁判所は4月15日、身体的な性と自らの性認識が一致しないトランスジェンダーの人々を「サードジェンダー(第三の性)」として認めた。

「自分のジェンダーを自分で選択する権利は、すべての人に認められるべきものだ」。インド最高裁判所は、自らを男性でも女性でもないと見なしている人たちに対し、彼らの権利を認める判決をした際、そのように述べた。

最高裁は同国政府に対し、トランスジェンダーの人々にも、ほかのマイノリティーの人々同様に、雇用や教育、そして生活に必要なあらゆる製品や設備において、一定の対応枠を設けるよう命じた。

AFP通信の報道によると、この裁判は、インド出身の女優であり、トランスジェンダーの活動家でもあるラクシュミ・ナラヤン・トリパティ氏が代表を務める団体が2012年、インド国内のトランスジェンダーの人々に平等な権利を認めるよう、提訴していたものだ。

最高裁の決定は、自らが認める性とは異なる身体的特徴を持つ人々や、生まれた時に割り当てられた性別とは一致しない性的指向を持つ人々に適用される。インド国内には、およそ200万人のトランスジェンダーがいるとする推計もある(伝統的にヒジュラと呼ばれる人々がいる)。

なお、今回の最高裁による決定は、トランスジェンダーを第三の性として認める一方で、同性間の性行為を認めるものではないと明示されている。

デリー高等裁判所は2009年、同性間の性行為を無罪とする画期的な判決を下したが、最高裁判所は2013年12月、これを覆し、イギリス植民地時代以来の「同性間の性行為を禁止する法律」を復活させた。今回の最高裁の決定は、その決定に続くものだ。

153年前の植民地時代に制定された法律によると、インド刑法第377項には、同性愛は「自然に逆らう罪」であり、懲役10年の刑に処せられると規定されている。

なお、BBCの報道によれば、ネパールは2007年、バングラデシュは2013年に、「第3の性」を公的に認めている。オーストラリア最高裁も2014年4月2日、「第3の性」(不特定な性別)を認める判決を下している

[(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]

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