オバマ大統領の来日、国賓なのに異例ずくめ どこに泊まる、飛行機・専用車は何?

オバマ氏の来日は3回目だが、今回が国賓として初めての来日となる。ただし、国賓ではあるものの迎賓館(東京・元赤坂)には泊まらず、ミシェル夫人も同伴しない。このオバマ氏の対応は異例とされる。
EPA時事

アメリカのオバマ大統領が4月23日、国賓として来日する。日本滞在は25日までの2泊3日間。24日に安倍晋三首相と首脳会談を開く。最大の懸案事項は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)だ。

オバマ氏の来日は3回目だが、今回が国賓として初めての来日となる。ただし、国賓ではあるものの迎賓館(東京・元赤坂)には泊まらず、ミシェル夫人も同伴しない。このオバマ氏の対応は異例とされる。

会議前に、記念撮影に臨むASEAN各国の首脳。中央は安倍晋三首相=14日午前9時37分、東京・元赤坂の迎賓館[代表撮影](2013年12月)

国賓で迎えられる海外の要人は、迎賓館に泊まるのが一般的だ。オバマ氏が迎賓館に泊まらない理由は明らかになっていないが、MSN産経ニュースは、「合理性」を重視するオバマ氏が、使い勝手のいいホテルを選んだ可能性もあると伝えている。

昨年6月に国賓で来日したオランド仏大統領をはじめ、国賓の要人は迎賓館に泊まるケースが大半だ。米大統領では18年前に国賓として来日したクリントン氏も迎賓館に宿泊している。

(中略)クリントン氏の時は、橋本龍太郎首相(当時)が迎賓館の和風別館に大統領夫妻を招いて晩餐会を開き、カリフォルニア産ワインでもてなしたという。

(MSN産経ニュース『オバマ大統領「国賓」なのに迎賓館宿泊せず 異例の対応…日程も難航』より 2014/04/17 05:00)

中国国営新華社通信のサイト「新華網」などは、オバマ氏が、東京・赤坂のアメリカ大使館に近いホテルオークラ(東京・虎ノ門)に宿泊する可能性が高いと報じている。

また、国賓は天皇・皇后両陛下と並んで行事に出席するため、通常は配偶者を同行する。アメリカのウォールストリート・ジャーナル紙(日本語版)は、ミシェル夫人が3月末に2人の娘とともに中国を1週間訪問した一方で、今回夫人が来日しないことについて「失望する声も聞かれている」と伝えた。

さらに、オバマ大統領は国賓招待された外国首脳恒例の国会演説を見送る方針だ。47NEWSでは日米の温度差を次のように分析している。

親密さを演出する狙いから日本側が国賓として招く形式にこだわったのに対し、オバマ氏が「ビジネスライク」と称される自らの流儀を通したことが背景にある。双方の温度差があらためて印象付けられた。

(47NEWS「異例ずくめオバマ氏国賓 演説見送り、夫人伴わず」2014/04/21 10:14)

出発する、初の訪日を終えたオバマ米大統領が搭乗した米大統領専用機「エアフォースワン」(東京・羽田空港)=2009年11月

■「空飛ぶホワイトハウス」で来日

ところでオバマ氏は、アメリカ空軍の大統領専用機「エアフォース・ワン」に乗って羽田空港に到着する。ホワイトハウスのホームページなどによると、空軍には特別な設備を施したボーイング社のジャンボ機747-200Bが2機あり、大統領が乗っている方の飛行機が「エアフォース・ワン」(空軍1便)になる。

エアフォース・ワンには大統領執務室と大統領専用スイートがあり、ホワイトハウスと同じように執務したり指示したりできるため「空飛ぶホワイトハウス」とも呼ばれる。先進的な通信設備を装備していて、万が一アメリカが攻撃された時には「移動司令本部」として機能することになっている。ほかにも会議室や、手術時に使える医療室も備えられており、調理室では一度に100人分の食事を作れる。

またオバマ氏は、日本に着いたら大統領専用車で移動することになる。専用車はアメリカに本社を置くゼネラル・モーターズ製のキャデラックを改造したリムジンのため、「キャデラック・ワン」と呼ばれる。ゼネラル・モーターズのホームページなどによると、キャデラック・ワンは防弾ガラスを使い、戦車並みに分厚い防弾装甲の鋼板で覆われている。1台だけでなく複数あり、大統領の外遊時には前もって訪問先へ空輸しておくとされている。

オバマ大統領の就任式パレードでデビューした大統領専用車。ゼネラル・モーターズ(GM)の高級車「キャデラック」のリムジンで、テロや暗殺から守るため、防弾ガラスを装備。装甲車並みの鋼板で覆われ、生物化学兵器による攻撃にも対処できるとされる(アメリカ・ワシントン)=2009年01月

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