【歴史・領土プロパガンダ】外務省が中国・韓国の戦略を分析 日本ではアニメで子供たちに教育

外務省は、歴史認識や尖閣諸島・竹島などの問題で、中国と韓国が繰り広げるプロパガンダを分析した。中国はメディアを積極的に活用し、韓国は地方から展開する特徴があるという。
日本青年会議所

歴史認識や領土をめぐり、中国・韓国は官民一体で日本に対する批判を強めるなか、日本の動きは「官民一体には程遠い」との見方がある。そんななか、アニメ映像を用いて、領土・領海に関する子供たちの意識を醸成しようという動きが出ている。

■中韓のプロパガンダの特徴

外務省は、歴史認識や尖閣諸島・竹島などの問題で、中国と韓国が繰り広げるプロパガンダ(政治宣伝活動)を分析。MSN産経ニュースが5月3日に入手した資料によると、中国はメディアを積極的に活用し、韓国は地方から展開する特徴があるという。

欧米などの第三国に対しては「政府よりも学者、有識者、記者による発信」を積極的に利用、欧米主要メディアに「中国の発信に影響を受けた報道がある」という。さらに、国営中国中央テレビ(CCTV)の多言語チャンネルや、世界120カ国で1086校に及ぶ中国語・文化教育拠点「孔子学院・課堂」が「独自の主張を重層的に発信している」と記した。中国は2020年までに孔子学院・課堂を全世界に配置する構えだ。

韓国の動きについては「地方自治体、民間団体、個人による積極的な活動」がみられ、慰安婦や竹島、日本海の「東海」呼称で「強い働きかけ」を展開しているという。米国内では在米韓国人が活発に動いていることを指摘した。

(MSN産経ニュース「【歴史戦】プロパガンダを分析 外務省内部文書 中国はメディア活用 韓国は地方から展開」より 2014/05/04 09:00)

■日本青年会議所が教育プログラムを開始

中韓が官民一体で活動している一方、MSN産経ニュースは日本の動きについて「官民一体には程遠い」と分析する。

そんななか、日本青年会議所(JC)は、小学生・中学生を対象に、キャラクターを使って領土教育を始めた。

JCは2013年6月、日本の領土・領海について理解を深めてもらおうと、アニメを使った領土教育用DVD『マモルとミズキの国境探検』を作成した。排他的経済水域や、日本の海洋資源、尖閣諸島や竹島・北方領土の歴史、日本の主張が正しい理由などを10分程度にまとめたもので、日本が領土を侵害されたらどうなるかについて、マモルとミズキの次のようなやりとりも含まれている。

マモル「(領土を侵害されたら)日本の主権が維持できなくなるんだ」

ミズキ「どういうこと?」

マモル「盗ったもん勝ちってこと。『日本なんて強く言えば、言いなりの国だ。盗っても、口だけで何もできない国』と思われてしまう」

(YouTube「青少年版 領土・領海意識醸成プログラム 映像(中学生版) 文部科学省教育映像審査選定作品」より 2013/06/18)

JCはこのDVDについて、「日本人として知っておかなければならない日本の領土に関する基本的知識を習得することで、日本の排他的経済水域までのかたちが“日本のかたち”であると認識できる一助となる」としており、文部科学省は2013年6月、教育上価値が高く学校教育又は社会教育に広く利用されることが適当と認められるとして、このDVDを教育映像作品に選定している。

JCはさらに、領土・領海教育に十分な授業時間が確保されていないとして、上記DVDやクイズを用いた出張授業を開催。2013年は、全国の小学校154校の5~6年生に出張授業を実施した。

JCは4月28日にも「主権回復の日」にあわせて、全国で一斉出張授業を展開。プログラム実施を担当するJC・主権国家確立委員会の清宮貴弘委員長は、「受講された子供達が、日本について理解を深め、やがてはこの国の未来をしっかりと描いていってくれるだろう事を、私は確信しております」とコメントを発表している。

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