ウクライナ大統領選、ポロシェンコ氏が事実上の勝利宣言

25日に投開票が行われたウクライナ大統領選では、実業家のペトロ・ポロシェンコ氏(48)が事実上の勝利宣言を行った。同氏は年内に議会選挙を実施する方針を示したほか、親ロシア派との対立を終わらせ、欧州との連携を進めると宣言した。
時事通信社

[キエフ 26日 ロイター] - 25日に投開票が行われたウクライナ大統領選では、実業家のペトロ・ポロシェンコ氏(48)が事実上の勝利宣言を行った。同氏は年内に議会選挙を実施する方針を示したほか、親ロシア派との対立を終わらせ、欧州との連携を進めると宣言した。

開票率約50%の段階で、菓子メーカーを経営するポロシェンコ氏の得票率は53.7%。ユーリヤ・ティモシェンコ元首相の得票率は13.1%となっている。

最終結果は26日中に発表されるが、ティモシェンコ元首相が敗北を認める方針を表明したことから、6月15日に予定されていた決選投票を待たずにポロシェンコ氏の当選が決まることになる。

同氏は選対本部で支持者らに対し、ウクライナの大半が欧州との統合の道を歩み続ける使命を自身に与えたとしつつ、最優先事項は同国東部に赴き、武装した親ロシア派によって引き起こされた「戦争と混乱」を終結させることだと指摘した。

反対派と話し合い、武器を放棄した者に恩赦を与える用意があるとしたものの、殺人者や「テロリスト」とはいかなる交渉もしないと述べた。

親ロシア派はウクライナのドンバス工業地帯の大部分で投票を妨害。主要都市のドネツクは周辺地域で暴力により少なくとも20人が死亡したことを受け、ゴーストタウンと化した。

ポロシェンコ氏は外国人記者からロシアとの関係を聞かれると、流ちょうな英語で「(ウクライナの)主権と領土の一体性」を尊重するよう訴えると表明。また、ロシアによる「クリミア占領」は決して認めないと述べた。ただ、天然ガスの大半を頼るロシアとは妥協点を見出すよう努力しなければならないとも付け加えた。

さらに、国の安定にロシアの関与は不可欠だとして、ロシアのプーチン大統領と会談することは「確実だ」とする発言も伝わった。

一方、米ホワイトハウスによると、オバマ大統領は「選挙は国の団結に向けた重要な一歩」とし、新大統領との協力を楽しみにしていると述べた。具体的にポロシェンコ氏の名前には言及していない。

ドイツのシュタインマイヤー外相は「分裂した国をポロシェンコ氏が統一できるかどうかは、何よりも憲法プロセスがどのように進められるのか、どのようなメッセージが東部地域またロシア語話者に発せられるのか次第となるだろう」と述べた。

ヤヌコビッチ政権の崩壊以降の憲法改正により、ポロシェンコ氏は大統領就任後も前任者より権限が制限され、首相や議会と権力を共有することになる。

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