旧「美少年酒造」が破産 今後も飲める?

日本酒「美少年」を製造していた「火の国酒造」が破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。今後、美少年を飲むことはできるのか。

日本酒「美少年」を製造していた「火の国酒造」(旧・美少年酒造)が熊本地裁に破産を申請し、破産手続きの開始決定を受けたことがわかった。決定は5月20日付で、負債額は約11億5千万円。MSN産経ニュースなどが報じた。

同社は「美少年酒造」という名称で明治12年に創業。ピーク時の平成8年には25億円超の年商があった。しかし日本酒そのもののの客離れや同社が「事故米」を仕入れていたことをめぐる信用問題などが起きて、売上げが半減するなど経営が悪化。21年に熊本地裁に負債総額19億円で民事再生法の適用を申請した。

その後、支援企業が決まったことで、現在の社名に変更して再建に取り組んだが、打開できず、25年5月に直接関係がない会社「美少年」(熊本県菊池市)に事業を譲渡。今年5月2日に破産申請し、5月20日に破産開始の決定を受けていた。

(MSN産経ニュース『日本酒「美少年」生んだ熊本の清酒会社が破産 事業は別の会社に譲渡ずみ』より 2014/06/06 17:10 )

東京商工リサーチによると負債総額は破産申請時では約11億5000万円だが、民事再生開始決定後に新たに発生した債務は約5000万円にとどまるという。

「美少年」の造酒事業は譲渡済みであり、経営実態はなかった。事業を譲りうけた、株式会社美少年は、熊本県菊池市に酒蔵を移し、地元でつくられる「菊池米」と、ミネラル豊富な菊池川水系の水を使って、2013年の冬から酒造りを開始。2014年2月に蔵開きを行い、販売を再開した。2014年からは「神力米」という、明治時代、西日本一円で栽培されていた品種を使って、新しい酒造りに取り組んでいるという。

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