「小学校用防弾毛布」がアメリカで予想を超えた売れ行き

アメリカの学校では、銃撃事件が週に1件のペースで起きている(日本語版記事)。その結果、いまや親たちが新学期のために揃える物品のリストには、「子供用の防弾装甲」という、穏やかではない新アイテムが加わったようだ。
Bodyguard

アメリカの学校では、銃撃事件が週に1件のペースで起きている(日本語版記事)。その結果、いまや親たちが新学期のために揃える物品のリストには、「子供用の防弾装甲」という、穏やかではない新アイテムが加わったようだ。

そうした製品の中でも、持ち運びが容易な子供向けの防弾カバー「ボディガード・ブランケット」は、発売から2週間も経たないうちに、メーカーの予想を超えた売れ行きを示している。

製造するPro Techt社の役員スタン・ショーン氏はハフポストアメリカ版に対し、このブランケットの販売開始から10日間で同社が消費者から受けた反応は、「われわれの最も楽観的な予想をも、はるかに超えるものだった」と述べた。

ショーン氏はハフポストアメリカ版に寄せたEメールの中で、「強い関心を持ったいくつもの公立、私立の学校や、子供の身を案じて製品を購入したいという多くの親たちから問い合わせがあった。個人向けの販売は大好評で、予想を大幅に上回っている」と書いている。

このブランケットを最初に報じたのは、「The Oklahoman」紙のニュースサイト「News OK」だ。その記事によれば、このブランケットはもともと、竜巻などの自然災害の際に子供たちを守ることを目的として開発されたが、現在人々の関心はその防弾性にある。

ショーン氏がNews OKに語ったところでは、このブランケットは米国司法省研究所によるNIJ規格クラス3Aのテストに合格している。これは「9mmと22口径の銃弾を含む」投射物に対して有効な警官用防弾ベストと同等であることを意味する。

以下の動画は、Pro Techt社による宣伝動画だ。軍隊で兵士を守るのに使われているのと同じ品質だと謳っている。

ボディガード・ブランケットは1枚1000ドルと高額であり、公立学校にとっては相当な出費となる。アメリカ国立教育統計センターによれば、2010~11年の公立学校の生徒1人あたりの支出は、全国平均で約1万1000ドルだ。しかしショーン氏は、このブランケットが「かなりの投資」になると認めながらも、避難所などを建設することに比べれば最終的には割安だと主張していた。

Pro Techt社以外にも、防弾性能を持つバックパックなどを製造する複数の企業がある。そしてこれらの企業の製品は、学校で発砲事件があるたびに、その地域での販売が増える。ただし、安全性の専門家の一般的見解では、そうした製品には、あまり有効ではないのに高価なものも多いという。

学校の安全性を研究するNPO団体「Safe Havens International」の専務理事マイケル・ドーン氏は、「(そうした製品に頼らなくても、)しっかりとした生徒の監視体制や、避難訓練の改善などによって、この国の学校での死者数は半分に減らせるだろう」と「NBC News」に語っている

[Kevin Short(English) 日本語版:水書健司/ガリレオ]

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