テスラの特許全面開放、早くも成果が現れてきたようだ

テスラ・モーターズ社は先ごろ自社の特許を開放したが、その成果がすでに上がりつつあるようだ。
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テスラ・モーターズ社は先ごろ自社の特許を開放したが、その成果がすでに上がりつつあるようだ。

テスラ社のイーロン・マスクCEOが、電気自動車市場全体のさらなる拡大を目指して、同社の特許を競合他社に開放したのは6月12日のことだったが、その4日後には、日産自動車とBMWが、充電スポットのネットワーク整備に向けた提携の「話し合いを熱心に持ちかけている」と、フィナンシャル・タイムズ紙は報じている

テスラ社の株価は、16日にここ1~2ヵ月で最高値を付けた(以下のグラフ)が、おそらくはこうした報道を受けた動きだろう。

こうした動きは、テスラ社がそもそもなぜ特許を開放したのか、その理由を明らかにするものだ。テスラ社は、同社の急速充電システム「スーパーチャージャー」を業界の標準にしたいと考えているのだ。

そうなれば、テスラ社が現在米国本土に97ヵ所、ほかにも欧州やアジアで展開している充電スポットのネットワーク(日本の地図はこちら)を、他社が利用したり、拡大したりできるようになる。その結果、化石燃料車を電気自動車に乗り換える動きがますます起こりやすくなる。

テスラ社が現在米国本土に設置している97ヵ所の充電スポット

テスラ社のネットワークはすでに米国中に展開しているが、今後1年間でさらに拡大するものと見られる。

テスラモーターズ社が2015年末までに展開する予定の充電スポット

テスラ社が目指す方向は、スマートフォンの世界から考えるとわかりやすい。同社の製品は、洗練されたデザイン、価格の高さ、充電システムなど、アップル社製品と共通した特徴を持つことから、以前からアップル社と比較されてきた。そのテスラ社が、今や「Android」のようなオープンソースの会社になろうとしているのだ。

Android搭載デバイスやブラックベリー社のスマートフォンを接続できる「給電機能付きMicro-USB」と同じように、対応するすべての車が、テスラモーターズ社のスーパーチャージャーを利用できるようになるかもしれない。

日産自動車の広報担当者トラビス・パーマン氏は、ハフィントンポストUS版に宛てた電子メールのなかで、同社は「充電施設を拡大するために、「世界中の膨大な数にのぼるパートナーと」提携していると述べた。「他社が参加してくることは歓迎だ。普遍的に互換性のある充電システムは、EVの利用を加速するからだ」

一方、BMWは、「テスラ・モデルS」の競合となる「BMW・i8」をドイツで先週発表したばかりだが、「世界的なレベルで電気自動車の発展をさらに促す方法」についてテスラ社と協議したことを、13日に明らかにしている。

なお、テスラ社は(パナソニックと提携して)、2020年の生産開始を目指す「巨大工場」の建設を計画している。この工場は、世界最大のリチウムイオン・バッテリー製造施設になる予定だ。ピーク生産時には、この工場だけで年間50万個のリチウムイオンバッテリーを製造する計画だが、この数は2013年に世界中で製造されたすべてのバッテリーの数を上回る(下のグラフ)。この計画は間違いなく、この市場における競争を激化させるだろう。

[Alexander C. Kaufman(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ]

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テスラCEO発案のチューブ列車

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