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2014年07月09日 14時59分 JST | 更新 2014年07月09日 18時26分 JST

ワールドカップ ブラジル大敗の理由は?「ベロオリゾンテの悲劇」を演出したドイツの策略をデータで読み解く

ブラジルがドイツに大敗した理由をデータで探る。

ODD ANDERSEN via Getty Images
Brazil's goalkeeper Julio Cesar (L) reacts after failing to stop Germany's forward Andre Schuerrle scoring his first goal during the semi-final football match between Brazil and Germany at The Mineirao Stadium in Belo Horizonte on July 8, 2014, during the 2014 FIFA World Cup. AFP PHOTO / ODD ANDERSEN (Photo credit should read ODD ANDERSEN/AFP/Getty Images)

7月9日、FIFAワールドカップ・準決勝で開催国のブラジルはドイツに1−7と歴史的な大敗を喫した。

優勝候補と目されたブラジルが敗れた、「ベロオリゾンテの悲劇」はなぜ起きたのか。勝負の分かれ目はどこにあったのか。勝負が事実上、決した前半24分のドイツ3点目までをデータで検証してみよう。

こうして振り返ると2点目から4点目が決まった、179秒でゲームがガラリと変わったわけでは決してない。むしろその前、ゲーム開始直後のブラジルの「仕掛け」をしのいだドイツが、間違いなく研究済みだった「マルセロの裏」を徹底的に突いたところから、コーナーキックを得て、さらにそこでブラジルのマンツーマンディフェンスを破るサインプレーを発動、先取点を得るという、まさに準備していた策がぴったりハマった形だ。

ドイツの右サイドバックのラームは守備に優れるだけでなく、ボールを運ぶ攻撃的センス、戦術眼も備えている。ボランチでも起用されるラームがこの試合で右サイドバックを任されたことは、ブラジルの左を封じて裏を突く、「対策」のひとつの表れだ。

もちろん、ネイマール欠場も大きな要因だ。ネイマールが左サイドにいたならば、たとえワンパターンでも、致命的な奪われ方はしなかったかもしれない。もちろん、仮の話でしかないが、ブラジルのサポーターがそう思っても不思議はないだろう。

データから見えるブラジル敗退の大きな要因は、ふたつ。ひとつは中盤に構成力がなく、個人に頼りすぎた攻めだ。ルイス・グスタボ、パウリーニョ、フェルナンジーニョらボランチを務める選手はいずれも、ゲームメイカータイプでなく敵陣で細かいつなぎをするタイプではない。サイドバックや、センターバックから両ウイングにシンプルに預ける形が目立った。この試合のように、預けた先のハルクが封じられると、苦しくなってしまう。

このなかでオスカルはこの役割ができる選手で、前半16分、ボランチの位置まで下がってゲームを作り、フレッジのポストプレーを活かしたシーンはブラジルの「プランB」として象徴的で、もしこういう攻めがもっとできていたら、ゲームは変わっていただろう。

攻めの苦しさは数字にも現れており、決勝トーナメントに入ってからの3得点はすべてセットプレーでDFが決めたもの。守備から入る「手堅い」チームで優勝を狙ったが、ネイマールの負傷も響いてそれが仇になってしまった形だ。

もうひとつは、切り替えのスピードでドイツに劣ったこと。マルセロの裏狙いが明らかになってもそこに固執してカウンターを喰らい続けた拙さはブラジルらしくない。だが、その前に、自らの攻め手である左サイドで競り負けてはいけなかった。

事実、2点目が入るまでの時間帯は、ブラジルの左とドイツの右との勝負だった。マルセロ、ハルクのブラジルに比べると、ラーム、ミュラーの2人のほうが、ボールを奪った後、奪われた後の切り替えと球際が格段に激しかった。ドイツには策があったとはいえ、もしここでブラジルが左サイドを押していれば、流れは大きくブラジルに傾いただろう。

これを象徴するのが8分のシーンだ。ドイツが狙っていたカウンターの攻めで、ペナルティエリア付近でミュラーが奪われる。逆にブラジルがチャンスになるかと思われたが、奪われたミュラーが切り替えの早さでマルセロに食いついてファールし、ブラジルの速攻を止めた。一方、マルセロ、ハルクはミュラー、ラームの速攻を止められていない。大差につながる、小さな差。こうしたプレーが試合を分けた。

ドイツで目立ったのは、スペースを見つけてボールを受け、パスを出してまたすぐに走りだして、相手の陣形を乱したり、スペースを作る、という連続した動き。前回王者のスペインが得意とする、ゆったりと回しながら狭い地域を細かくパスでつなぐスタイルとはまた別の形だ。こうしたサッカーの移り変わりもまた、ワールドカップの醍醐味だろう。

ブラジルの歴史的大敗。データで振り返るとそこには、ドイツが巧妙に仕掛けた策があった。

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