スカイマーク、10月で成田から撤退へ 札幌・那覇・米子の3路線廃止

スカイマークは成田空港を発着する路線の撤退を検討していると明らかにした。成田と札幌・米子・那覇とを結ぶ便を、10月25日をもって廃止する見通しだという。
時事通信社

国内3位の航空会社・スカイマークは8月6日、成田空港を発着する国内線について、撤退を検討していることを明らかにした。成田と札幌(新千歳)、米子(鳥取県)、那覇とを結ぶ便を、夏ダイヤ最終日の10月25日をもって廃止する見通しだという。不採算路線から撤退することで、経営の立て直しを目指す。毎日新聞などが報じた。

スカイマークは現在、札幌(新千歳)、那覇、米子との間の1日6往復12便を運航している。しかし、6月の搭乗率は札幌67.9%、那覇64.5%、米子28.1%といずれも羽田発着の便を下回っている。今後も改善の見通しが立たないことから、10月末にも運休することにした。成田空港内の事務所も閉鎖する。成田を拠点にした国際線への参入計画も抜本的に見直す。

(毎日新聞「スカイマーク:成田撤退へ…国際線参入計画見直し」より 2014/08/06 11:33)

現在、国内線だけを運航するスカイマークは、収益拡大のためニューヨークなどと結ぶ国際線への参入を目論み、2011年に1915億8500万円を投資して、エアバス社から二階建ての超大型機A380を6機導入する契約を結んでいた。すでに3機分の一部としてエアバスに265億円を支払い済みで、2014度中にも2機が納入され、成田―ニューヨーク間が就航する予定だった。

しかし、円安による燃料費高騰や格安航空会社(LCC)の参入による競争激化を受け経営環境が悪化。円安で支払額も膨らんだこともあり、2012年3月末に306億円あった手元資金は、2014年3月末には70億円にまで大幅に減少した。

このため2014年4月からはエアバスと計画の変更に向けた協議を進めてきたが、エアバス側は契約変更の条件として、スカイマークに対して身売りを要求。スカイマークが拒否した場合、エアバスは700億円規模の「常識を逸脱した法外な違約金」を請求すると提示した。

スカイマークは成田の発着枠を36保有しており、どの航空会社も「のどから手が出るほど欲しい」状況だと東洋経済オンラインは分析している。スカイマークは独立路線を保ちたい考えで、「他社の傘下に入ることなど考えられません」という考えを表明した。西久保慎一社長は「ウチがなくなれば、航空業界は10年前に戻ることになってしまう。それだけは何としても避けたい」「どんなに会社を縮小しようが、独立した形で今後も第三の航空会社として営んでいきたい」と訴える

A380を導入できなくなったことで、エアバス社は既に導入している中型のA330を使って、シンガポールやハワイ、バンコクなどへの国際線就航を検討している。

A380は標準タイプで座席数は525席で世界最大。スカイマークが所有するA330-300機は、通常のエコノミー席なら440の座席を設置できるところを、ゆったりしたスペースの「グリーンシート」を導入したことで271席とA380の半分程度の席数となっている。

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