ケンタッキー、主力商品で輸入鶏肉を使わず日本産にこだわり続ける理由とは

主力商品には輸入肉の使用を許さないケンタッキーフライドチキン。日本産にこだわる理由は何か。

日本KFCが運営する「ケンタッキーフライドチキン(ケンタッキー)」で使用される鶏肉全てが、9月から国産になることが8月18日、分かった。ケンタッキーでは現在、主力商品「オリジナルチキン」には国産の鶏肉を使っているが、期間限定で提供している「レッドホッドチキン」の一部にアメリカ産の鶏肉を使っていた。販売終了に合わせて全てを国産に切り替えるという。時事ドットコムが報じた。

日本KFCは、主力商品「オリジナルチキン」ではこれまでも100%国産の鶏肉を使用している。今回、他の商品も国産にすることで「よりおいしく、安全、安心なチキンを提供できる」(広報)と説明している。

(時事ドットコム「鶏肉、全て国産に=消費者不安へ対応-日本KFC」より 2014/08/18 16:53)

7月に、中国の食品会社が期限切れ鶏肉を使っていたことがわかり、消費者の不安が高まっている。ファーストフード大手各社はフライドチキン用の鶏肉をタイや中国から輸入しており、国産の鶏肉を使うのはケンタッキーの他、ロッテリアのみとなっている。

■ファーストフード各社のフライドチキン用鶏肉の産地

しかし、フライドチキンで利用される国産のブロイラーは、タイ産やメキシコ産に比べて生産コストが2.3倍になるという調査もある。外国産鶏肉が主流のコンビニでのチキン販売の台頭を受け、ケンタッキーの売上げも、2010年3月期の約986億円に対し、2014年3月期は約670億円と減り続けている。

それでもなお、ケンタッキーが国産にこだわる理由は何か。それは、ケンタッキーが30年以上貫いてきた「FHH&H」という姿勢にある。FHH&HとはFresh(新鮮)・Healthy(安全で健康的)・Handmade(手づくり)・Hospitality(おもてなしの心)を表す言葉だ。

一部の商品で輸入肉を使っていたように、ケンタッキーも海外の食品加工技術の向上を認めている。冷凍技術、輸送手段、工場設備・衛生水準、それぞれかつてより向上していているという。しかし、ケンタッキーではメイン商品に国内産の鶏肉のみを使用し、輸入肉を使うことを許さなかった。「新鮮さ、安全さ」を重要視するためだ。

コンビニで提供されているタイ産の冷凍フライドチキンは、賞味期限が製造後540日(約1年半)と長いものもある。これに対しケンタッキーでは、国内の工場から店舗へは早いもので処理してから2日、通常は3日目ぐらいの鶏肉が納入される。この新鮮さが、輸入品の加工肉にはかなわないおいしさを生むと担当者は話している。

「国産のブロイラー業界の生産環境については、人手の問題、後継者の問題、輸入品の増大、内食需要の低迷といった状況で、どちらかといえば、やはり衰退傾向という部分が見られるのではないでしょうか。われわれとしてはいま非常な心配事になっています。

しかし、KFCとしてはFHHのコンセプトの追求のためには、新鮮で安全な国産のチキンを適正な価格で安定供給してもらうことがぜひとも必要なのです。私どもはいわば生のものを持ってきて、そこでつくるからお客さんのほうに非常に評価された。そのための原料としてフレッシュのチキンが必要だと考えています」

(月報「畜産の情報」「ファーストフード店における鶏肉流通と販売戦略」より 1995年1月)

「オリジナルチキン」はお店で1本1本丁寧に手づくり。ケンタッキー秘伝の11種類のスパイスが食欲をそそります(*^^*) ふっくらジューシーなオリジナルチキンで、sogoodな一日に♪ pic.twitter.com/LWSlsF0BDP

— ケンタッキーフライドチキン (@KFC_jp) 2014, 5月 17

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