ウクライナのポロシェンコ大統領は8月30日、ベルギーのブリュッセルで行われているEU(欧州連合)首脳会議に招待され、ウクライナの現状を「後戻りできない状況に迫っている」と述べ、ウクライナ東部にロシア軍が侵攻している状況を強く非難した。
イギリス・ガーディアン紙によると、ポロシェンコ大統領は30日、EUのパローゾ委員長と共に会見を行い、「数千人の外国人部隊と数百台の軍事車両がウクライナ東部に侵入している」と述べ、EUによるロシアへの追加制裁を求めた。
BBCによると、ポロシェンコ大統領は30日に行われたEU首脳会議でウクライナの現状について説明し、「ロシア軍の侵略とテロの犠牲となっている」と述べた。
また、ポロシェンコ大統領は「もはや後戻りできない状況に迫っていると考えている。後戻りできない状況とは、全面戦争ということだ」と述べた。
ウクライナのポロシェンコ大統領
ロシアは軍がウクライナ東部に侵入して親ロシア派の支援をおこなっているというウクライナ政府や西欧諸国からの非難を繰り返し否定してきた。しかし、ロイターによると、ウクライナ政府軍のアンドリー・ルイセンコ報道官が会見で「ロシア軍の戦車がウクライナ東部のロシア国境に近いルガンスクのノボスビトリフカという小さな町に侵入した」と述べた。
ウクライナ東部のノボスビトリフカ
親ロシア派が勢力を強めているウクライナ東部では30日も政府軍と親ロシア派の戦闘が続いた。
ウクライナ国家安全保障・国防会議のルイセンコ報道官によりますと、政府軍は30日、ルガンスク州のスラビャノセルブスク地区などの親ロシア派の拠点を攻撃し、40人以上を殺害しました。
ルガンスク州内では29日から30日にかけて、空港など10か所で政府軍と親ロシア派の間で断続的に激しい戦闘が続いているということです。
一方、親ロシア派の幹部はロシアのインターファクス通信に対し、中心都市ドネツクと工業都市マリウポリの間の町ボルノバハを制圧したと述べました。
(NHKニュース「ウクライナ東部で激しい戦闘続く」より 2014/8/31 07:18)
EU首脳会議では緊迫するウクライナ情勢について、ロシアに対する追加の制裁を行うかの協議を行っている。
カタールのテレビ局・アルジャジーラによると、EUのバローゾ委員長は30日、「EUはロシアに対してより厳しい制裁を行う用意がある。しかし、EUは一方でウクライナとロシアが衝突を終わらせる政治的合意を求めている」と述べた。
EU首脳会議では、ロシアへの追加制裁について具体的な協議を行っている。
首脳会議の会場に到着したフランスのオランド大統領は「ウクライナは極めて深刻な情勢であり、ロシアがこのまま態度を変えなければ制裁を強化することが必要だ」と強調しました。
ただEUは先月末にロシアへの新たな経済制裁に踏み切ったばかりのため、直ちにさらなる制裁を科すことには慎重な意見も多く出ています。
(NHKニュース「EU首脳会議ロシア追加制裁協議」より 2014/8/31 04:19)
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