広島市で大規模な土砂災害が発生した8月20日未明、同市は広島地方気象台から送られた「広島県内全域で1時間に最大70ミリの雨が降る」との気象予測をファックスで受け取りながら見落としていたことがわかった。朝日新聞デジタルなどが報じた。
市消防局や気象台によると、8月20日午前1時15分、気象庁などが広島市を対象に「土砂災害警戒情報」を発表。避難勧告を検討する目安の一つだが、市は把握しながら発令しなかった。
午前1時49分には気象台が「県内全域で1時間に最大70ミリの降雨が予想される」との情報を出した。気象情報会社を通じてファクスで市消防局へ送られていたが、河川の水位上昇への対応に追われて気づかなかったという。
(朝日新聞デジタル「広島市、豪雨予測のファクス見逃す 避難勧告前」2014/09/01 12:04)
その後、午前3時には避難勧告の目安を超える雨量を観測した。3時21分には子どもが土砂崩れで生き埋めになったとの通報があり、その後、人命救助の通報が相次いで寄せられていた。しかし、市が最初に勧告を出したのは午前4時15分だった。
時事ドットコムによると、広島市の松井一実市長は9月1日の記者会見で「情報を見ていないのは事実。どう影響があったかは検証しなければならない」と述べたという。
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