[モンロビア 2日 ロイター] - 国連食糧農業機関(FAO)は2日、エボラ出血熱が最も猛威を振るっている西アフリカの地域について、食料の価格高騰や不足が発生し、市民らが食料を入手しにくくなっていると指摘した。医療関係者のストライキなども発生しており、感染封じ込めの難しさが浮き彫りになっている。
FAOは「エボラ流行の影響を最も受けている一部地域の住民は、以前から所得の最大8割を食料に充てていた」とし、現在の価格高騰で食料の入手がより難しくなっていると指摘。リベリア、シエラレオネ、ギニアを対象に食料確保をめぐる警告を出した。
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リベリアの首都モンロビアにあるジョン・F・ケネディ医療センターでは、労働条件や賃金未払いを受けて多数のスタッフがストライキを実施。シエラレオネの首都フリータウンでも1日、病院の職員らがデモを行った。
国境なき医師団(MSF)のジョアンヌ・リュー会長は国連加盟国に向けた演説で、過去最悪のエボラ流行が6カ月続いているとした上で、「世界は(エボラ熱)封じ込めの闘いに敗れている」と指摘。支援団体と西アフリカ諸国だけでは流行を阻止できないとし、国際社会の強力が不可欠だと強調した。また、生物学的な災害への対応チームを組織する必要があると述べた。
一方、米保健社会福祉省は、未承認のエボラ治療薬の臨床試験にかかわる契約に最大4230万ドル相当を投じると発表。試験の加速が見込まれるとした。
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世界保健機関(WHO)は先月28日、西アフリカのエボラ出血熱感染者が今後2万人を超え、感染国もさらに増える可能性があるとの見解を示した。同26日現在の死者数は1552人に上り、致死率は52%となった。
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