イスラム国打倒へ向け アメリカ、「中核的連合」を形成する方針

米政府は5日、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」打倒に向けた「中核的連合」を形成する方針を明らかにし、同盟国やパートナー国の幅広い支持を呼びかけた。
Reuters

[ニューポート(英ウェールズ) 5日 ロイター] - 米政府は5日、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」打倒に向けた「中核的連合」を形成する方針を明らかにし、同盟国やパートナー国の幅広い支持を呼びかけた。ただ、地上部隊を投入する可能性は否定した。

オバマ大統領は英ウェールズで開催された北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の場で同盟国の協力を求めたが、イラクでの空爆にどれだけの国が参加を表明するかは不透明だ。

首脳会議に合わせて開かれた10カ国の外相・国防相会議で米国のケリー国務長官とヘーゲル国防長官は、協力するにはさまざまな方法があると強調した。

ケリー氏は、「(イスラム国が)領土を奪わないよう攻撃し、われわれ自国の部隊を派遣せずに、イラクの治安部隊や(イスラム国と)戦う用意のある地域の他の部隊を支援する必要がある」と述べた。

「ここにいる全てにとって、越えてはならない一線は、軍が地上に足を踏み入れることだ」とした。

ヘーゲル国防長官は会議に出席した諸国に対し、「ここに集まったグループは中核的連合だ」と述べた。「この中核グループがより大きな連合を形成し、この問題に対処する」とした。

会議には米国以外に欧州から英仏独伊とポーランド、デンマーク、他にはカナダ、オーストラリア、トルコが出席した。

ケリー氏は同盟国が協力し、今月の国連総会に間に合うようにイスラム国に対抗する包括的計画を策定することを望むと述べた。

欧州の当局者らによると、キャメロン英首相とオランド仏大統領はオバマ大統領との個別会談で、イラクでの空爆を単に命令する以上の行動が必要とされており、全体の戦略が必要だとの見解を示したという。

フランスは今週、軍事行動の可能性も含め、イスラム国との戦いにあらゆる面で関与する用意があると表明。一方、英国のハモンド外相は5日、空爆に参加するかについては決定してないと述べた。

英政府の当局者は匿名を条件に、「一段の行動が必要とされているという認識は強まっているが、慎重な対応が必要だ」と述べた。

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