成田空港、国内線利用者からも空港利用料を徴収検討 大人1人900円程度

成田国際空港は国内線の利用者からも空港利用料を徴収する方向で検討していることを明らかにした。
Travelasia via Getty Images

成田国際空港は9月9日、国内線の利用者からも空港利用料(空港税)を徴収する方向で検討していることを明らかにした。これまで国際線のみだった徴収対象を2015年3月からは国内線の利用者まで広げ、大人1人あたり往復800〜900円程度を徴収する案が出ているというMSN産経ニュースなどが報じた。

国内線旅客から新たに求めるのは「旅客サービス施設使用料」。手荷物カートの利用やフライト情報の提供などのサービスに伴う対価として徴収する。旅客は航空チケットの発券時、運賃に上乗せする形で施設使用料を支払うという。

成田空港会社は来年3月末の完成を目指して格安航空会社(LCC)専用ターミナルの整備を進めており、国内線旅客からの施設使用料の徴収は同ターミナルの供用開始に合わせる案が出ている。羽田空港や関西空港、中部空港も国内線旅客から往復580~770円を受け取っており、成田空港も往復800~900円程度で調整している。

(MSN産経ニュース「成田空港会社、国内線旅客からも施設使用料を徴収で調整 LCC増加で」より 2014/09/09 11:23)

47NEWSによると、日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)の利用者は、大人1人往復900円程度で調整しているが、LCCの利用者はこれより低い金額になる見込みだ。徴収した空港利用料は、ロビーでパソコンを使うための電源の設置や、トイレの改良などの費用にも充てられるという。

成田利用の国内線旅客は2013年度は517万9000人。LCC就航前の2011年度の192万6000人から2年で2倍以上に増えている。利用客はさらに増えると見込みで、2013年度中にはLCC専用ターミナルを整備する予定だ。新ターミナルは、国際線と国内線が同じ場所を利用できるのが特徴で、年間750万人程度のLCC利用客を受け入れ可能にするという。

成田空港は2014年で開港36年となるが、2014年3月末に行われた羽田の国際線発着枠拡大の影響で、成田発着便の国際線は減便が相次ぎ、存在感の低下を懸念する声も上がる。

国際線への期待に代わって国内線LCCへの期待も高まるが、現在検討されている国内線空港利用料の案は羽田空港や関西空港、中部空港よりも若干高めなこともあり、インターネットでは不安の声も出ている。

■国内線利用者向け空港利用料(往復)の比較
  • 羽田空港:大人(満12歳以上)580円、小人(満3歳以上12歳未満)280円
  • 関西空港:大人770円(出発時410円・到着時360円)、小人(満3歳以上12歳未満)なし
  • 中部空港:大人620円、小人300円
※大人:満12歳以上、小人:満3歳以上12歳未満

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