「国境なき記者団」、韓国検察の産経ソウル支局長捜査を批判

産経新聞の加藤達也・ソウル支局長が韓国検察から事情聴取を受けた問題で、ジャーナリストの国際団体「国境なき記者団」は9月8日、韓国政府の捜査方針を批判し、訴追や出国禁止をやめるよう求める談話を出した。
Reporters without borders

msn産経ニュースに掲載された、朴槿恵大統領の動静を巡るインターネット上のコラムを巡り、産経新聞の加藤達也・ソウル支局長が韓国検察から事情聴取を受けた問題で、フランスに本拠を置くジャーナリストの国際団体「国境なき記者団」は9月8日、韓国政府の捜査方針を批判し、訴追や出国禁止をやめるよう求める談話を出した。

国境なき記者団のアジア担当責任者は、以下のように述べた。

「ニュースメディアにとって、大統領を含む政治家の動向を問うことはまったく普通のことだ。

国家的な悲劇の期間中、大統領の日程が不明確だったことは、明確に公共の利益に関することだ。さらに、加藤の記事はすでにインターネット上で公開され、何の疑問も提起されていない情報にもとづく。我々は政権に対し、加藤への刑事訴追を断念し、出国制限を解除するよう求める」

(Reporters Without Borders"Seoul-based Japanese reporter accused of defaming South Korea’s president"より 2014/09/08)

加藤氏は8月3日にMSN産経ニュース上に「【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」と題するコラムを掲載。4月16日の旅客船セウォル号の沈没事故当日に、朴大統領が7時間行方不明になっていたとする韓国紙・朝鮮日報のコラムを引用する形で、朴大統領が「『当日、あるところで〝秘線〟とともにいた』というウワサ」を紹介。証券街の関係筋の話として「それは朴大統領と男性の関係に関するものだ。相手は、大統領の母体、セヌリ党の元側近で当時は妻帯者だった」と述べていた

ソウル中央地検は「朴大統領の名誉を傷つけた」とする市民団体の告発を受け、加藤氏の出国を禁じ、8月18日と20日に韓国の情報通信網法違反容疑で事情聴取していた。日本新聞協会も8月29日に「取材・報道活動の自由、表現の自由が脅かされることを強く懸念する」とする編集委員会代表幹事名の談話を出している。

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