香港デモめぐり米中が応酬 中国外相「国内の問題」米国務長官「表現の自由」

米国と中国の間で香港の民主派デモについての応酬が繰り広げられている。中国外相は「香港の問題は中国国内の問題。すべての国が中国の主権を尊重すべき」と発言したのに対し…
Reuters

香港の行政長官選挙をめぐる民主派による抗議活動が続く中、米国を訪問している中国の王毅外相は1日、オバマ大統領やケリー国務長官と会談。両国の間で、民主派デモについて応酬が繰り広げられた。

王外相はケリー米国務長官との会談に先立ち「(中国政府は)非常に公式かつ明確に立場を表明している。香港の問題は中国国内の問題だ。すべての国が中国の主権を尊重すべきだ」と発言。米国を含むすべての国は「治安を乱す不正行為」を容認すべきではないとし、「香港特別行政区政府には、法に従って事態に適切に対処する力があると信じている」と述べた。

一方、オバマ米大統領は王外相に対し、米政府は香港民主派デモの状況を注視しており、平和的な対応を期待すると述べた。大統領は11月に中国を訪問することも確認した。

ケリー国務長官は「香港当局が自制し、デモ隊の表現の自由を尊重することを強く期待する」と指摘。「われわれは、最大限の自治や法治による開かれた社会は香港の安定と繁栄に不可欠だと信じている」と述べた。米国務省によると、ケリー氏と王外相は予定されていなかった2回目の会談をこの後開くという。

王外相はヘーゲル米国防長官とも会談した。

一方、ワシントンの中国大使館前では、香港のデモ活動を支援しようと10人強が集まった。

香港出身の弁護士、グレース・ホー氏は「中国がうまく成し遂げてきたことは誇りに思うが、民主主義なしでは意味がない」と述べた。

また、カナダのトロントでは、香港デモを支援する600人強が「一国二制度。香港の自治」と叫びながら行進した。[ワシントン 1日 ロイター]

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