「子供たちは学校へ行くべきで、搾取されてはならない」マララさんらノーベル平和賞の受賞の理由とは

「抑圧に対する闘い、そして子供と若者の権利のための闘いは”国家間の友愛”の実現に貢献する。それはアルフレッド・ノーベルがノーベル平和賞の受賞基準の一つとして遺言状で言及したことである」。
OSLO, NORWAY - OCTOBER 10: . The plaque is displayed inside the Norwegian Nobel Institute ahead of the Nobel Peace Prize announcement on October 10, 2014 in Oslo, Norway. (Photo by Ragnar Singsaas/Getty Images)
OSLO, NORWAY - OCTOBER 10: . The plaque is displayed inside the Norwegian Nobel Institute ahead of the Nobel Peace Prize announcement on October 10, 2014 in Oslo, Norway. (Photo by Ragnar Singsaas/Getty Images)
Ragnar Singsaas via Getty Images

ノルウェーのノーベル賞委員会は10月10日、2014年のノーベル平和賞を、女性教育の権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)と、インドの児童労働問題に取り組んでいるカイラシュ・サティヤルティさん(60)に授与すると発表した。

ノーベル賞委員会は、受賞理由とその背景について、詳しく説明している。全文を訳した。

ノルウェー・ノーベル賞委員会は2014年のノーベル平和賞をカイラシュ・サティヤルティ氏とマララ・ユスフザイ氏に贈ることを決定した。子供や若者たちへの抑圧、そしてすべての子供たちへの教育の権利のために闘ってきたことが受賞理由である。子供たちは学校へ行くべきであり、経済のために搾取されてはならない。世界のもっとも貧しい国では、25歳以下の人口が60%を占める。世界が平和的に発展するためには、子供や若者の権利が尊重されることが必要条件だ。特に紛争地域では、何世代にもわたって子供への暴力の連鎖が続いている。

カイラシュ・サティヤルティ氏は、ガンジーの伝統を守り、さまざまな形で抗議とデモストレーションをすべて平和的に推し進め、経済的利益のために子供たちに対する深刻な搾取が行われたことに焦点を当てた。サティヤルティ氏はまた、子供の権利に関する重要な国際会議の開催に貢献した。

マララ・ユスフザイ氏は未成年ながらすでに少女への教育の権利のために闘い続けており、子どもと若者たちに見本を示すことで、彼らが自らの状況を改善することにも貢献してきた。ユスフザイ氏は最も危険な環境で活動してきた。しかし彼女は勇敢な闘いを通じて少女たちが教育を受ける権利を求める代表的なスポークスパーソンとなった。

ノルウェー・ノーベル賞委員会は、教育問題と過激主義に対し、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒、インド人とパキスタン人が共に闘うことが重要だと考える。他にも世界中の多くの個人や機関が貢献してきた。統計によれば現在、世界では1億6800万人の児童労働者がいるが、その数は2000年と比べて7800万人減少した。世界は児童労働の根絶という目標に近づいている。

抑圧に対する闘い、そして子供と若者の権利のための闘いは“国家間の友愛”の実現に貢献する。それはアルフレッド・ノーベルがノーベル平和賞の受賞基準の一つとして遺言状で言及したことである。

オスロ 2014年10月10日

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

注目記事