杉村太蔵「バラエティにやり甲斐を見いだせた」 明石家さんまの言葉とは

今や各番組でボケまくっている杉村太蔵だが、以前はバラエティ番組に一切興味がなく、偏見すら抱いていたという。そんな彼の氏の気持ちに変化をもたらしたのは、あの明石家さんまからの一言だった。
時事通信社

杉村太蔵、バラエティへの偏見を払拭した明石家さんまの言葉

“薄口評論家”としてバラエティ番組に引っ張りだこの杉村太蔵。著書『バカでも資産1億円「儲け」をつかむ技術』を上梓し絶好調の氏にインタビューを敢行。今や各番組でボケまくっている太蔵だが、以前はバラエティ番組に一切興味がなく、偏見すら抱いていたという。そんな彼の氏の気持ちに変化をもたらしたのは、あの明石家さんまからの一言だった。

■無職のときに“サンジャポ”スタッフから電話が…

――杉村さんと言えば、タレントとしても現在引っ張りだこ。“薄口政治評論家”という肩書もすっかり定着してしまいましたよね(笑)。

【杉村】まさか私がバラエティ番組に出るとはねぇ(遠い目)。議員を辞めて、無職のどうしようもない時期に、たまたま『サンデージャポン』のスタッフから電話がかかってきまして、「散々、叩かれて来ましたけど、ウチは生放送です!! 思いのたけをぶつけませんか?」と。さらに「今度の日曜日空いてませんか?」って言うんです。無職で日曜日の午前中に予定が入ってる人もなかなかいませんよね?

――で、記念に出てみようと(笑)

【杉村】一応、「確認します」って返答しましたけどね。向こう3ヶ月スケジュール真っ白なのに(笑)。でも、家内は何て言うかなぁ?って多少不安だったんですよ。今は結果的に、多少は番組にも馴染めましたけど、当時は衆議院議員を務めた後に『サンジャポ』のあの席に座るのは強い違和感がありましたね、正直。

――それはそうですよね。

【杉村】で、家内に「『サンデージャポン』から出演オファーが来たけどどう思う?」って聞いたら、即答で「パパ! 絶対に出た方がいいよ!! あの番組はパパにピッタリよ」って。一瞬、「どういう意味だ!?」とも思いましたけど(笑)、その意見をきっかけに出ることに決めたんです。

――奥さんが見事に背中を押してくれたんですね。

【杉村】で、収録が終わって家に帰ると、家内が「凄く良かった!!」って。あぁ~じゃあ良かった!! いい記念になったって。僕としては思い出として一度出演するという気持ちでしたから。

■政治へのニーズよりもバラエティ番組でボケてというニーズの方がはるかに高い!!

――それが今や準レギュラーですからね。

【杉村】しかも、『サンジャポ』きっかけで違う番組からもオファーが来て……気がついたらバラエティ番組に出まくってる状態でしたねぇ(しみじみ)。

――今や“薄口政治評論家”としてバラエティタレントとしての確固たるポジションを確立していますよ。

【杉村】“やりたいことをやる”。これも極めて重要ですけど、“周りがやって欲しいことをやる”の方が道が開けることが多いと思うんです。

――確かに。自分がやりたいことと、周囲が自分に望んでいることって、乖離している場合が多いですからね。

【杉村】(小声で)本音を言えばですよ? 政治の世界に戻って、外交とか安全保障とか経済活性化とか成長戦略とか……。そういった思いもあるんですよ。

――やっぱり。

【杉村】でも、「政治をやりたい!!」という思いに対するニーズよりも、バラエティ番組でボケて欲しいというニーズの方がはるかに高いんですよ!!

■さんまさんの言葉でバラエティ番組に情熱とやり甲斐を見いだせた

――アハハハハ!!

【杉村】元々バラエティ番組には全く興味がなかったんですよ。ところが、そういうお仕事を頂くようになって自分の考えが変わってきたんです。以前、明石家さんまさんに「政治家とタレント、どっちがいい?」って言われたんですね。もちろん、迷わず「政治家ですよ!!」って返答したんですけど。

――ほうほう。

【杉村】「ここに橋を作り、道路を作り、空港を作り、図書館を作れる。世の中を動かすことが出来る面白い仕事ですよ!!」って言ったんです。そうしたら、さんまさんが「そうかぁ。でも、俺たちは笑顔を作れるから」って仰られたんですね。

――カッコイイなぁ。

【杉村】なるほどなぁ~って。笑顔っていうのは、時として道路や橋よりも人の命に繋がることがありますよね。だから、その言葉でせっかく頂いたバラエティ番組に情熱、やり甲斐を見いだすことが出来たんです。

――杉村さんのバラエティに対する偏見も解消されたと。

【杉村】社会的意義というか、バラエティ番組というのはこの国にとって重要なインフラですね!!

■爆笑問題と小泉元首相の共通点

――また、良質なバラエティに出てますよね。『サンジャポ』なんて、情報番組にバラエティ要素があれほど上手くコミットしている番組は無い。

【杉村】『サンジャポ』の制作陣は超一流ですし、なによりも爆笑問題さんが凄い!! あのお2人の何が凄いって、『サンジャポ』に限って言えば、自分たちの意見を一切言わないんですよ。

――普段は辛口な批評でお馴染みなのに。

【杉村】そう!! 言いたいことなんか山ほどあるはずなんですよ。でも、あそこで太田さんや田中さんが意見を言ってしまうと、それが“番組の答え”に なってしまうんです。ですから、周囲の意見をとことん聞いてまとめあげるトップリーダーと言いますかね。

――優秀な企業のトップが部下のとことん意見を出させるのと共通しているんですね。

【杉村】小泉元首相もそうでしたね!! 会議などでも常に聞き手にまわって話を聞いてますから。トップを取る方の共通項かも知れないですね!!……ただ、爆笑問題さんは『サンジャポ』の直後に放送されるラジオ番組ではメチャクチャ言いますけどね(笑)。

――“薄口政治評論家”も太田さんが命名されたんですよね。素晴らしいネーミングですよね。

【杉村】……この薄口政治評論家でいくら稼がせてもらったか!! 唐突に太田さんから「薄い! コメントが薄いなぁ~」って言われて。顔は笑っていても内心はイラっとしたんですよ。でも、翌週からはすっかり肩書として浸透してましたね。ただ、今は凄く感謝してます。難しい政治や経済のことを“薄口”で語らせたら世界でも僕の右に並ぶものはいませんから(キッパリ)。

――世の中、ちょっと辛口に疲れてますからね(笑)

【杉村】そうでしょ? ちょっと、間に薄口を挟みたくなるもんですよ!!……ただ、私のご意見で終わってはダメなんですよ(笑)。

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