解散総選挙? 衆院選ではどのくらい税金が使われるのか

永田町に解散風が吹き始めた。もし、衆院が解散して総選挙になると、どれくらい税金が使われるのか。
Japanese Prime Minister and President of the Liberal Democratic Party (LDP), Shinzo Abe celebrates his party's win after he placed a red paper rose on a LDP candidate's name to indicate an election victory at the party's headquarters in Tokyo on July 21, 2013. Voters gave Prime Minister Shinzo Abe a resounding victory in upper house elections July 21, exit polls showed, likely ushering in a new period of stability for politically volatile Japan. AFP PHOTO / KAZUHIRO NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
Japanese Prime Minister and President of the Liberal Democratic Party (LDP), Shinzo Abe celebrates his party's win after he placed a red paper rose on a LDP candidate's name to indicate an election victory at the party's headquarters in Tokyo on July 21, 2013. Voters gave Prime Minister Shinzo Abe a resounding victory in upper house elections July 21, exit polls showed, likely ushering in a new period of stability for politically volatile Japan. AFP PHOTO / KAZUHIRO NOGI (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)
KAZUHIRO NOGI via Getty Images

安倍晋三首相が年内に衆院解散に踏み切るとの見方が広がり、永田町に解散風が吹き始めた。12月2日公示―14日投開票や、9日公示―21日投開票とする日程が取り沙汰されている。もし、衆院が解散して総選挙になると、どれくらい税金が使われるのか。

「2012年の衆院選で使われた費用(ネット選挙啓発費は2013年)」

■事務的費用だけで588億円

産経ニュースは、衆院選1回実施にかかる費用を約800億円と報じているが、2012年の衆院選では、約650億円の税金が使われている。なかでも最も費用がかかっているのが、選挙の事務にかかる費用だ。この費用は選挙執行経費基準法などに基づき国が負担することとされており、2012年12月に行われた衆議院選挙では、約588億円が使われた。

費用の内訳を見てみると、最も大きい割合を占めるのは都道府県や市町村などの自治体に委託する選挙執行管理費用で、これだけで9割以上を占める。投票用紙の印刷や投票所の運営、開票作業に携わる人件費のほか、候補者のための選挙カーの費用や選挙ポスターの作成にも、公費が使われる。

次に多いのが、新聞各社に支払われるもの。候補者や政党は、回数や大きさなどの指定はあるが選挙の際に新聞広告を出すことが認められており、これにも公費が使われる。2012年の衆院選では約21億円が使われた。

その他、候補者が投票者に送る選挙ハガキの費用や、政見放送の撮影・放送費用などにも公費が使われる。

これ以外に、海外に住む有権者のための選挙執行管理費用も別途必要となり、2012年は約3900万円が使われた

■選挙運動の取り締まりで警察庁にも予算配分、ネット選挙で増加

選挙に付随して支出されるのが、選挙運動の取り締まりにかかる費用だ。警察庁に予算が配分され、2012年の衆院選では7800万円が使われた

しかし、2013年の参院選では8200万円と、支出額が増加している。2013年の参院選からはインターネットを使った選挙活動が解禁されたこともあり、各都道府県の警察ではサイバー犯罪対策を行っている部署の職員も動員されて捜査が行われたことが影響したとみられる。

ネット選挙解禁に合わせて、総務省では参院選の際、別途国費が使われている。新聞広告や「ネット選挙運動特集」ページを解説したほか、啓発のためのコンテストを主催するなどで8億9500万円の予算が組まれた。

ネット選挙解禁からまだ間もないこともあり、次の国政選挙が行われる際も、啓発のために巨額の税金が使われることになりそうだ。

■政党の選挙費用、大元の資金は政党交付金

なお、候補者個人の選挙運動の費用は、前述の選挙カーやポスターの製作など公費で負担されるもののほかは、候補者が候補者が自前で調達する。

政党の選挙運動に使われる費用も政党が費用を負担することになるが、その政党に対して国は政党交付金を支払っている。各党の本部や候補者が支部長を務めることが多い政党支部は、この政党交付金から選挙対策事務所の運営費などに選挙関連費を支出している。

総務省の2013年分の政党交付金使途等報告によると、衆院選のあった2012年は68億5200万円が選挙に使われた。しかし、ネット選挙が解禁された2013年は宣伝活動費が前の年の28億5600万円から115億9700万円と約4倍に増えており、実際の選挙にはより多くの資金がかかったのではないかとする見方もある。

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