子供がいる専業主婦、8割が「働きたい」 データでわかるママの気持ち

実際に、子育てをする母親は仕事についてどう考えているのだろうか。人材サービス会社のリクルートジョブズが10月24日に発表したインターネット調査を元に、子育て世代の女性が望む働きかたについて考えてみよう。

グループウェアを開発・販売するサイボウズが、「働くママのワークスタイル」について問題提起する動画を発表し、話題となっている。ハフポスト日本版で12月1日、この動画を紹介したところ、Facebookでは3万いいね!を超え、コメント欄にも子育て経験者などから様々な声が寄せられた。

一方で、仕事と子育ての両立が難しいと感じ、パート・アルバイトや契約社員として働く女性の声もいくつか寄せられていた。また、小学校に入学するまでは、夫か妻が仕事を辞めた方がいいのではないかという意見もあった。

シングルならこれが当たり前。だからかなり共感。とにかくこれが多くある現実ではあるよね。

ハフポスト日本版Facebookページに寄せられたコメントより)

これ辛いですね

うちは男女平等なんで

どっちも迎えにいきます。

じゃないと嫁さんつぶれちゃう

ハフポスト日本版Facebookページに寄せられたコメントより)

私も働くママです。この苦悩の日々でした。今ある働き方の固定観念を捨て、柔軟な考えがこれからの職場には必要になると思う。徐々にそのような傾向になってきてるが、まだまだだと思う。

YouTubeの動画ページに寄せられたコメントより)

経済的に困っているならしょうがないけど、そうでないなら全く共感できない。せめて子供が小学校行くまで夫か妻が仕事をやめればいいのにと思う。

YouTubeの動画ページに寄せられたコメントより)

こういう状況に陥りたくないばかりにあっさり正社員を辞めパートアルバイト人生に突入し早24年。働いても働いても教育費や生活費に暮らしは苦しい。

正社員でも苦しまずに育児できる環境、非正規雇用でも安定した経済力も持続できる環境を整えないと益々少子化は進む。

ハフポスト日本版Facebookページに寄せられたコメントより)

こうなっちゃうから正社員は諦めて契約で復帰して、それっきり、9年間も契約のままですw 子どもが高学年になり手が離れて来たので正社員になりたいと希望しても、今度は年齢の事をさしてそれは無理と言い出しました。始めからその気は無いのですよね。

ハフポスト日本版Facebookページに寄せられたコメントより)

みんなママ達はがんばっている!働くママも、家事を中心にしているママも・・・。社会で働くママだけが特別じゃなくて、母親はみんな365日年中無休、24時間、家族の事を中心に考えて、生活している・・・。

ハフポスト日本版Facebookページに寄せられたコメントより)

■子供がいる専業主婦の8割が「働きたい」

実際に、子育てをする母親は仕事についてどう考えているのだろうか。人材サービス会社のリクルートジョブズが10月24日に発表したインターネット調査を元に、子育て世代の女性が望む働きかたについて考えてみよう。

2013年12月、18歳以上の女性約1万人を対象にインターネットで実施されたアンケート調査から、20歳~49歳の既婚・子供ありの4281人の結果を集計したという。これによると、子供がいる専業主婦の約8割が「働きたい」と思っているという。

既婚・子供ありの女性のうち、働いている人は40.7%。働いていない女性は59.3%にのぼるが、「就業意向なし」は8.2%にとどまり、働きたいが実際には働いていない女性が半数を超えている。

20~49歳の既婚・子供あり女性の就業状況 (※編注:「AP」はアルバイト・パート)| リクルートジョブズ

働いている女性を雇用形態別に見ると、55.8%が「アルバイト・パート」で、正社員として働いているのは25.1%だった。また、「働きたい」と考えている女性の希望する雇用形態を見てみると、75.8%が「アルバイト・パート」で、次いで「正社員」が12.8%、「派遣・契約社員」が7.4%と続いた。

■女性の就業率、「本人の年齢」と「末子の学齢」が影響

同調査によると、女性の就業率に影響を与える要素は、「本人年齢」と「同居している末子の学齢」で、「子供の人数」や「本人の最終学歴」による就業率に大きな差はあまり見られなかった。

本人年齢が上がる程、就業率は上がるが、40歳を超えると徐々に「就業意向なし」の割合も増加する。

また、子供の学齢が小学校入学前の女性の就業率は28.1%にとどまるが、子供が小学校低学年になると43.8%に上昇、小学校高学年になると51.0%となり、中学生の53.1%とほとんど差がなくなる。

雇用形態別で見ると、パート・アルバイトで働く女性は、子供の学齢が小学校入学前は10.9%で、小学校低学年になると26.5%と大幅に増加しているのに対し子供が小学校入学前で正社員としている働いている人は11.3%にとどまる。小学校低学年でも7.8%と大きな変化は見られず、子供が社会人になって、ようやく15.7%に達する。

子どもが大きくなってから正社員として復職することは、パート・アルバイトとして働くよりも難しいのが現状のようだ。

20~49歳の既婚・子供あり女性の就業状況 (※編注:「AP」はアルバイト・パート)| リクルートジョブズ

■「労働時間」パートと正社員の理想と現実

冒頭の動画へのコメントでは、「子育てをしながら正社員フルタイムで働くことは厳しい」といった声も上がっていた。それには様々な理由があると考えられるが、「労働時間」という観点から、同調査の結果を見ると、正社員の女性の理想の労働時間は「7時間程度」が38.9%と最も多いが、実際は「7時間以上」働いている人が61.1%にのぼる。

一方で、パート・アルバイトで働く女性の1日の労働時間は、「4時間程度(26.2%)」「5時間程度(24.6%)」が多く、次いで「6時間程度(17.0%)」「4時間未満(15.6%)」が続く。理想的な1日の労働時間は「5時間程度」が31.6%が最も多く、次いで「6時間程度(24.0%)」「4時間程度(19.4%)」となっており、もう少し働きたいと思っているが、実際に働いている時間は短い。1日に最低これくらい働ける、働きたいと思う就業時間は「5時間程度(27.6%)」「6時間程度(22.9%)」だった。

正社員、パート・アルバイト共に、実際の労働時間と理想の労働時間の間にギャップが見られる結果となった。

働く条件の理想と実態 1日あたりの就業時間 (20~49歳子供あり女性、雇用形態:正社員)| リクルートジョブズ

働く条件の理想と実態 1日あたりの就業時間 (20~49歳子供あり女性、雇用形態:アルバイト・パート)| リクルートジョブズ

また、正社員で働く女性は、年収に何らかの上限を設けている人は10.1%ほどだったが、パート・アルバイトで働く女性は、年収に何らかの上限を設けて働いている人が72.3%にのぼり、「配偶者控除」の適用対象から外れる「103万円の壁」や、妻が社会保険料を納めなければならなくなる「130万円の壁」を意識している人が多いといった実情も垣間見えた。

年収の上限設定(※編注:「AP」はアルバイト・パート)| リクルートジョブズ

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