【パリ銃撃】イスラエルの保守系新聞、デモ行進の写真からメルケル首相ら女性政治家を削除

イスラエルで発行されている超正統派ユダヤ系の新聞「HaMevaser」は、世界中の政治家が参加したパリの反テロデモ行進の写真から、メルケル首相など女性政治家を編集で削除したと報じている。

パリでは1月11日、世界各国の政治家たちが反テロのデモ行進に参加したと報道された。

先ごろ発生した風刺週刊紙「シャルリー・エブド」本社と、ユダヤ人向けスーパーマーケットへの襲撃事件の犠牲者らを追悼するため、パリのデモ行進には100万人以上が集まった。フランスへの支持を表明するために世界各国から大統領や首相、王室メンバーが現地に赴き、互いに腕を組んで行進している写真は、一連の襲撃事件を受けて世界中の人々が感じた悲しみを象徴するものとなった。

パリで1月11日、連帯を示す集会「共和国の行進」に参加した各国首脳(Eric Feferberg/AFP/Getty Images)

しかし、イスラエルのウェブサイト「Walla!」の記事は、イスラエルで発行されている超正統派ユダヤ系の新聞「HaMevaser」(「告げる者」の意)紙は、この写真から、女性政治家を編集で削除したと報じている。

Walla.co.il」による「HaMevaser」の第一面。

Walla!によると、「HaMevaser」紙が掲載したこの象徴的なデモの写真から、ドイツのアンゲラ・メルケル首相やパリのアンヌ・イダルゴ市長など、女性指導者らの姿が消えている。

「HaMevaser」紙の編集判断はそれほど驚くことではないと、イスラエルの「ハアレツ」紙のアリソン・カプラン=ゾマー氏は書いている。同氏によると、超正統派のコミュニティでは通常、女性が公の場に姿を現すことを制限しており、時には出版物や広告から女性の画像を削除することもあるというのだ。「驚くべきことに、女性の写真だけでなく、名前さえ掲載しないこともある」とカプラン=ゾマー氏は指摘している。

実際に、つい数年前にも、超正統派のメディアが、写真から女性の要人を削除して掲載したことがあった。「テレグラフ」紙の記事によると、ニューヨークを拠点とする正統派ユダヤ系の新聞「Di Tzeitung」紙は2011年、オサマ・ビン・ラディン容疑者の潜伏先にアメリカ軍特殊部隊が奇襲をかけた際に、アメリカ軍特殊部隊の作戦を見守っていたアメリカ政権幹部の写真から、ヒラリー・クリントン国務長官(当時)の写真を削除したという(リンク先に写真あり)。

11日のデモ行進の写真に関して物議を醸したのは、「HaMevaser」紙の編集判断だけではない。当初配信された写真は、各国首脳が他のデモ参加者たちに囲まれているように見える角度から撮影されたものだったが、その後フランスのテレビ局が配信した映像から、実際には首脳らと一般市民が遠く離れていたことが明らかになったのだ。

All those world leaders: not exactly "at" the Paris rallies. pic.twitter.com/YPFq1sMf88

— ian bremmer (@ianbremmer) January 12, 2015

「世界のリーダーたちは、本当はパリのデモ行進に直接参加していなかった」


「The Independent」紙はこの件について、首脳らを隔離する判断は警備上の理由から無理もないことだが、ソーシャルメディアではこの演出を揶揄する声が相次いだと指摘している

「世界のリーダーたちの写真は、人々のいない護衛された街路で撮影されたようだ」


この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:湯本牧子/ガリレオ]

Mass Unity Rally Held In Paris Following Recent Terrorist Attacks

フランス史上最大のデモ「今日、パリは世界の首都になる」

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