難病で視力を失った女性、特殊技術で生まれた赤ちゃんと対面する

キャシー・ベイツさんはシュタルガルト病(若年性黄斑変性症)という難病で子供の頃に視力を失った。しかし自分の息子が誕生した当日は、何としても自分の目で生まれたばかりの赤ちゃんを見たいと考えていた。

キャシー・ベイツさんはシュタルガルト病(若年性黄斑変性症)という難病で子供の頃に視力を失った。しかし自分の息子が誕生した当日は、何としても自分の目で生まれたばかりの赤ちゃんを見たいと考えていた。そのため、視力を回復させる特殊眼鏡を製造するeSight社が、出産当日、ベイツさんに眼鏡を貸し出した。

同じく視力が失われた姉のイボンヌ・フェリックスさんが、ベイツさんが初めて自分の息子を見た様子を撮影した動画をアップロードした。

「初めて現実に見た赤ちゃんが我が子だなんて、なんとも言えませんね」とベイツさんは語った。「夫が赤ちゃんを見る様子にもとても感動しました。我が子にすっかり心を奪われました」。

この眼鏡の機能はどうなっているのか? eSight社によると、「カメラやディスプレイ技術、高度なコンピューター処理を結合してリアルタイムに動画を配信し、失明者が視力を回復することを可能にした」という。この眼鏡の装着者は、個人ごとの必要性に応じて目に入る映像を拡大・縮小したり、解像度を向上させたり、変化させることができる。

フェリックスさんはハフポストUS版に「自分は母として子供が生まれた時にその姿を見ることができなかったから、家族として、キャシーにはそんな経験を決してさせまいと考えました」と語った。

「キャシーは私が苦労する様子や、私が見逃したもの、親として難しかったことを見ていました。我が子が生まれた時にその姿を見ることができる、私にはそんな経験ができなかったんです。この眼鏡を初めて着けたときには、2人の子供は6歳と生後2カ月になっていました。

キャシーが妊娠5カ月のとき、この眼鏡を着けて視力を取り戻せると分かりました。私たちは2人とも、生まれたばかりの赤ん坊を見られないなんていう経験は絶対にしちゃいけないと思っていました。キャシーは赤ん坊を生んで、子供の様子を理解し、出生証明書に自分で記載するんです」

eSightは1万5000ドル(約176万円)かかる。フェリックスさんは、妹を含め視力を失った人がeSightを購入し、視力を取り戻すための支援資金を募るプロジェクトとして、MakeBlindnessHistory(メイク・ブラインドネス・ヒストリー)というウェブサイトを立ち上げた。

「キャシーがeSightを購入するための資金を集め終わったら、今度はその他の人たちのために、eSightを購入する資金を集めます」とフェリックスさんはウェブサイトに記している。

「それから次の人、さらに次の人へと。視力を取り戻したいと思うすべての人がeSightを手に入れるまで、終わることはありません」

Man's Face-Blindness Means He Can't Recongise Own Family

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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