クロアチア政府は2月2日、貧しい家庭の借金を棒引きにする政府主導の事業を始めた。個人消費を活性化させることがねらい。フィナンシャル・タイムズなどが報じた。
「フレッシュスタート(新たな出発)」と名付けられたこの事業は、1カ月の収入が1250クーナ(2万円)で負債額が3万5000クーナ(約60万円)以下の人が対象だ。貯金や不動産を持たないことも救済の条件で、対象者は約6万人にのぼるという。救済の対象となる負債総額は約21億クーナ(約360億円)。地方自治体の他、公共事業企業、銀行、電話会社などが主な債権者だ。
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クロアチアは経済の低迷が続き、6年連続でマイナス成長となる見通しだ。失業率も高いため、与党の社会民主党(SDP)に対する国民の不満が強まっている。
1月11日に行われたクロアチア大統領選挙では野党・クロアチア民主同盟(HDZ)のコリンダ・グラバルキタロビッチ元外相が当選した。同国の政策決定は主に内閣が担うため大統領の権限は限られているが、2015年12月には議会選挙も予定されているため、SDPは危機感を強めている。
そのため、大統領選敗北直後の1月15日、SDPは借金棒引き策を発表。再び国民の支持を得たい考えだとみられるが、専門家からは「納税者のコンプライアンス意識を低下させる」などの懸念も出ている。
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