リベンジポルノ「情状の範囲超える」 三鷹ストーカー殺人、懲役22年判決を破棄

東京都三鷹市で女子高校生(当時18)が刺殺された事件で、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた池永チャールストーマス被告(22)の控訴審判決が2月6日、東京高裁であり、懲役22年の一審判決を破棄して審理を差戻す判決が言い渡された。
時事通信社

東京都三鷹市で女子高校生(当時18)が刺殺された事件で、殺人や銃刀法違反などの罪に問われた池永チャールストーマス被告(22)の控訴審判決が2月6日、東京高裁であり、懲役22年の一審判決を破棄して審理を差戻す判決が言い渡された。

裁判員裁判による一審・東京地裁立川支部の判決では、池永被告が被害者の画像をインターネットで公開した「リベンジポルノ」の行為について「名誉をも傷つけたことは極めて卑劣」と重視していたが、控訴審の大島隆明裁判長は「情状として考慮できる範囲を超えており、実質的にこれも処罰するかのような刑を裁定した疑いがある」とし、これを処罰の根拠とすることは認められないとした。

高裁判決は、一審の公判前に争点を整理する手続きの段階で、画像の公開をどの程度まで審理するかなどについて検討した形跡がない、と指摘。「公判でもその点を明確にしないまま、検察側が重い求刑を主張するに任せた」と批判した。「裁判官のみが決めた一審の審理手続きに誤りがあり、その結果、評議の結論も誤った」とも述べ、裁判員らの判断が誤りの原因ではないと明確に示した。

高裁は「一審での証拠だけで高裁が判決を出すことも可能だが」としつつ、「職業裁判官のみで構成する高裁が独自に量刑を導くことは、国民の視点や感覚などを量刑に反映するために導入された裁判員制度の趣旨に反する」と指摘。裁判員裁判での審理を改めて求めた理由を説明した。

池永被告の一審判決を破棄、差し戻し 三鷹女子高生刺殺:朝日新聞デジタルより 2015/02/06 20:41)

判決を受け、被害者の両親は、不当だとするコメントを発表した。

「破棄、差し戻し判決は不当。画像を流したことを殺人罪の犯情としてのみ考えても、懲役22年は軽すぎる。画像を流したことが重く処罰されすぎているとは考えられない。まだ裁判が続くと思うととても辛い」

【三鷹ストーカー殺人控訴審】女子生徒両親「まだ裁判続くの辛い…」 東京高検「予想外の判決」 - 産経ニュースより 2015/02/06 19:45)

今後は、新たに裁判員が選ばれ、再び審理が始まる。

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

注目記事