ホンダ、F1に7年ぶり復帰 レース用新型車を公開

日本の大手自動車メーカーが、モータースポーツへの復帰を続々と決めている。
朝日新聞社

F1にホンダ、ルマンに日産… 車大手、レースへ再加速

日本の大手自動車メーカーが、モータースポーツへの復帰を続々と決めている。2008年秋のリーマン・ショック後に業績が悪くなり、相次いで撤退していた。世界的なレースは注目度が高く、ブランドイメージの向上にも役立つ。業績が回復してきたのを受け、再び力を入れ始めた。

ホンダは自動車レースの最高峰である「F1」に今季、7年ぶりに復帰する。「リーマン後の撤退は、苦渋の決断だった。今後は継続的にモータースポーツに貢献したい」。伊東孝紳社長は10日に公開したレース用の車を前に、力強く宣言した。

ホンダは1964年、創業者の本田宗一郎さんの強い意志でF1に初めて参戦した。四輪車メーカーとしては後発組だったが、レース参戦で技術力を磨き、世界で車を売るきっかけになった。ホンダのDNAを受け継ぐ場でもあった。

しかし、08年を最後にF1から撤退した。利益が急減し、工場で働く人を減らすなどのリストラも実施した。年間数百億円かかるとされる費用を負担するのが厳しくなったためだ。

ここ数年はようやく海外工場で増産するようになり、円安も追い風になって経営が安定してきた。F1への思い入れが強い幹部や社員が多いのに加え、アジアや中東など新興国でのF1人気の高まりが復帰を後押しした。ホンダは新興国を今後の成長市場とみており、ブランド力を高めるねらいがある。

(朝日新聞デジタル 2015/02/11 00:08)

(朝日新聞社提供)

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