ストリートアートのファンなら、お気に入りの作品がなくなってしまうことに慣れているのではないだろうか。ストリートアートは、それが計画して描かれた作品であろうが自然と出来上がった作品であろうが、もしくは依頼されて作られた作品であろうが違法な作品であろうが、この世でもっともはかない芸術作品のひとつといえるかもしれない。そうした作品たちを保存するのが、「Googleアートプロジェクト」だ。
世界中の美術館のコレクションや歴史的写真を検索できるGoogleのバーチャルミュージアム『Google Cultural Institute』のプロジェクトであるGoogleアートプロジェクトは、2014年6月にストリートアートの保存を開始し、フランスのインティ、チュニジアのエル・シード、アルゼンチンのナーフといったアーティストの作品を保存してきた。そしてその作品数は、2015年3月に1万点に達した。
6つの大陸にわたるコレクションは、これまで消えゆく運命にあったストリートアートを保存し、展示する場となっている。例えばカリフォルニア州パサデナにあるケニー・シャーフの壁画は、現実の世界ではすでに塗りつぶされ、別の新しい作品に場所を譲ってしまったかもしれないが、デジタルの世界ではいまも生き続けている。
作品が展示されているウェブサイトには、作品の制作者名が明記され、それぞれの場所に実際に存在していた時期が記されている。作品のダウンロードはできない。
さらに、ウェブサイトではオーディオツアーやオンライン企画展示も体験できるほか、アーティストにまつわるオリジナルのストーリーも読むこともできる。
また、地図上の「Surprise Me!」ボタンをクリックすると、世界各地のアート作品がランダムに表示されて見る者を驚かせてくれるし、「GIF-ITI」というセクションにある壁画をマウスオーバーすると、静止画が動くアートに変わる仕掛けが楽しめる(これはアーティストINSAによって有名になったコンセプトだ)。
あまり注目されていないが、TwitterやFacebook、Tumblr、Instagramといったソーシャルメディアも、以前からストリートアート保存に取り組んでいた。けれどもGoogleのアートプロジェクトの方がより整理してまとめられている。デジタル世界で「永遠の命」を与えられた作品たちの一部を、ここでご紹介しよう。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
[日本語版:梅田智世、合原弘子/ガリレオ]
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