若いホームレスの自立を助けるパープル・ドア・コーヒー なぜ、パープル?

デンバーのコーヒーショップ「パープル・ドア・コーヒー」は、ホームレスから抜け出したい若者たちを雇用しており、52週間かけて、実用的なスキルや健康的な生活を送る方法などを教えている。
Purple Door Coffee

たいていの経営者は従業員の私生活に干渉しないものだ。しかし、デンバーにあるコーヒーショップ「パープル・ドア・コーヒー」を共同で設立したマディソン・チャンドラーさんとマーク・スメスルドさんは違う。

パープル・ドア・コーヒーは、「ホームレスの暮らしから抜け出したい」若者たちを雇用するNPO。ここでは52週間かけて、従業員たちに予算を立てたり、銀行と取引したりする実用的なスキルや、身体的・感情的・精神的に健康になる方法などを教える。

「私たちはすべての人に素晴らしい価値があると信じています」と、スメスルドさんはパープル・ドア・コーヒーのウェブサイト上の動画で語っている。「その人が成功者か、失敗者かということには関係なく、その人がただ人間であることに価値があるのです」

地元デンバーのニュース番組「NBC 9ニュース」によると、パープル・ドア・コーヒーがオープンしたのは約2年前。十代や二十代の若者を一度に3人受け入れ、1年間仕事をしてもらう。スメスルドさんは、自分たちのアイデアを実現する手段としてチャンドラーさんとコーヒーショップを選んだのは、従業員たちが接客や清掃などのさまざまなスキルを学ぶことでき、同時に地域の人が集う空間を作ることができるからだと述べている。

チャンドラーさんによると、店名の「パープル・ドア・コーヒー」には象徴的な意味も含まれているそうだ。パープル (紫) は、歴史的に王室を表してきた色だが「私たちは店の訪れるすべての人々、従業員、お客様、業者の人、誰もが、王室メンバーのように扱われ、そして平等なチャンスを与えられることを望んでいます。その人が何を成し遂げてきたか、成し遂げていないかは関係ありません」とチャンドラーさんは説明する。

デンバーでは最近若者のホームレスが急増している。15~24歳のホームレス、もしくはホームレスになるおそれがある若者を支援しているNPO「アーバン・ピーク」のCEOは、「デンバーで『安定した住まいがなく、保護が必要な若者』の数が昨夏は153%も増加した」とコロラド・パブリック・ラジオで話している。

また、社会福祉活動を行う団体「救世軍」も、デンバーの独身男性用シェルターに入居する人の数が増えていると2014年7月にAP通信の取材で述べている

パープル・ドア・コーヒーは、この急増する若者のホームレスを減らすことを目指しており、実際に状況を改善しつつあるようだ。たとえば23歳のジェナ・ウィリアムズさんは、1年間のカリキュラムを終えたあと、スターバックスでフルタイムの仕事に就くことができた

「パープル・ドア・コーヒーは、他には誰も与えてくれないようなチャンスを私に与えてくれました」と、ウィリアムズさんはNBC 9ニュースに語っている。「パープル・ドア・コーヒーの人たちは私のことを理解してくれました。こんなに安心できる場所は今までありません。彼らの活動は成功していると思いますし、私はここのカリキュラムを経験できたことを誇りに思っています。パープル・ドア・コーヒーこそ、私たちのような、帰る家がない子たちが必要としている場所です」

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

Green Russell

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