子供の頃に書いた落書きを、大人になって再現したらすごいのができた

子供時代の落書き帳は、実家のガレージに積み上げられたガラクタの奥深くに埋もれてしまうことがほとんどだ。しかし、テルモ・パイパー氏の場合は少しばかり違った。

想像力豊かな大人のアーティストでさえ、子供が自由に描いた絵には敵わない時がある。若い頃の生き生きとした想像力やあふれるまでの自信は、どんなに芸術の訓練を受けようとも得難いものだ。しかし、子供時代の落書き帳を満たしていた魔法の生物や、野生の動物、非論理的な図形の数々は、残念なことに時とともに失われたり、実家のガレージに積み上げられたガラクタの奥深くに埋もれてしまうことがほとんどだ。

けれども、テルモ・パイパー氏の場合は少しばかり違った。

ロッテルダムを拠点とする芸術家パイパー氏は、自分の子どもの頃の絵が詰まった箱を倉庫の中で発見した。そこで、これらの絵が、自分と同じように成長する機会を与えられたらどうなるだろうかと考えた。その結果が、「Kiddie Arts(子供のアート)」と題された作品の数々である。パイパー氏が4歳の時に描いた絵と、それを現代の自分が、最新技術の助けを借りて再解釈して描いた作品が一緒に並べられている。鉛筆で描かれたカタツムリ、サメ、蝶が、そのすぐ横で、スプレー缶やワコム・タブレットによって新しい姿となって甦ったのだ。

子供の頃に描いた線画の面白さ、見事さに魅了されました」と、パイパー氏はタイム誌に語っている。「現実の題材に非現実感---そのスタイルをそのまま再現するのは不可能だが、そこから発展させることは可能だと思った。だから実行してみた」。一連の作品は、芸術という形の時間旅行を思わせる。遊び心も持ちつつ奥深い形で、過去と現在が融合している。特に、パイパー少年の描いたくちゃっとしたハイイログマは実に愛らしい。

子供の創造力からインスピレーションを受けた芸術家は、パイパー氏が初めてではない。ウェンディー・ソウ氏は、少し違ったアプローチを取り、子どもの作品から立体のぬいぐるみを制作した。しかし、どちらも思いは同じである。パブロ・ピカソが言い残したように、「全ての子どもは芸術家だ。問題は、成人してもいかに芸術家でいられるかである」。

パイパー氏の魅力的な作品をご覧になって、自分も幼少時代の名作に会いに行ってみたくなっただろうか。コメント欄に感想を残していただければと思う。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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