韓国の旅客船セウォル号沈没事故から1年を迎え、ソウル中心部で4月18日に行われた大規模な追悼集会が行われた。遺族を含む市民3万人(主催者発表。警察発表で8000人)が参加したが、一部の参加者が警備にあたっていた警察と衝突し、およそ100人が連行された。ハフポスト韓国版などが報じた。
集会参加者に放水するソウル警察。 (Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
18日午後、追悼集会に参加した遺族や市民が座り込みを行っていたソウル市内の光化門広場で警察車両が壁を作ったところ、これを阻止しようとした集会の参加者と衝突が発生した。およそ100人の参加者が警察車両の上に上がり、行方不明者9人の顔が入ったプラカードを掲げながら抗議した。
警察は遺族を含む16人を連行した。その際、一人が軽いけがをした。
警察はトラック18台、乗用車470台、安全防護柵などを動員し、景福宮や光化門広場、世宗路交差点などに厳重な警戒線を敷き、警官1万3700人あまりを配置した。
防護柵を設置した警官隊と衝突する集会参加者 (Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
追悼集会は午後3時40分ごろに始まった。遺族の1人ホ・フンファンさんは、「9人の行方不明者がいる。早く彼らを家族のもとに返してほしい」と訴えた。また、イム・ソンミさんは「なぜ遺族を連行したのか。死んだ子供の顔も見られないまま追悼している私たちがどんな罪を犯したというのか」と涙を流した。
その後、ソウル広場の集会参加者が警備を突破して青瓦台に進もうとしたため、警察との間に大規模な衝突が発生した。ソウル広場の参加者は、遺族が連行されたというニュースを聞き、光化門広場へと移動した。
光化門広場に集結した追悼集会の参加者(Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
参加者の一部が光化門広場の警察車両の壁を突破しようとしたところ、警察は放水銃や催涙弾で対抗した。追悼集会の主催者は、「警察は警戒を突破しようとしなかった参加者にも放水銃や催涙弾を向け、手当たり次第に連行するなど、過剰な対応をしている」と述べた。
警察の放水に抵抗する追悼集会の参加者たち (Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
光化門広場前で、警察が集会参加者に放水。衝突は深夜まで及んだ。 (Photo credit should read JUNG YEON-JE/AFP/Getty Images)
18日夜、警察は「セウォル号遺族21人を含む約90人を連行した」と発表した。主催者側は「市民が光化門の前で、遺族と会うことができるよう道を開いてくれれば、集会を終わらせたい」と述べたが、警察は放水をやめなかったため、衝突は深夜に及んだ。主催者側が計画していた「青瓦台を人間の鎖で包囲する」イベントも行われなかった。
この記事はハフポスト韓国版に掲載されたものを抄訳しました。
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