イスラム法に背かないアダルトショップ 聖地メッカに近日オープン

サウジアラビアの聖地メッカに、サウジアラビア初の「ハラール(イスラム法で合法とされた)」なアダルトショップを開店させようと考えている起業家がいる。「性的な感覚を高め、夫婦間の雰囲気を盛り上げる」グッズを販売するという

聖地メッカに、サウジアラビア初の「ハラール(イスラム法で合法とされた)」なアダルトショップを開店させようと考えている起業家がいる。

起業家の名前はアブデラジス・アルーハ氏。モロッコ系オランダ人のアルーハ氏はすでにアラブ人向けのオンライン・アダルトショップを運営している。メッカに開店を考えている店では、オンラインショップで売っているような大人のおもちゃやポルノDVDなどは扱わず、「性的な感覚を高め、夫婦間の雰囲気を盛り上げる」グッズを販売すると、アラビア語のニュースサイト「アルヤウム24」に話す。

アルーハ氏が運営するオンラインショップ「エル・アシラ」では、主に香料入りのキャンドル、クリーム、オイルなど「官能的な性生活を送るためのユニークなアラビア風グッズ」を販売している。アルーハ氏によると、アダルトショップは完全にイスラム教の法典「シャリーア」に従って運営されているという。

このサイトの「コンプライアンス」のページには、「私たちの製品は“ハラール”です。ハラールと言っても食べ物のことではなく、わたしたちの商品が、イスラム法とイスラム教の信仰によって容認されているということを意味します。つまりここで販売されている商品はすべて、イスラムの教えに従い、イスラムの人間性を守り、そしてシャリーアの道徳観から外れていないものです」と書かれている。

アルーハ氏は、イスラム法で許された「愛を高めるためのグッズ」を実店舗で販売するという。写真はシリアのダマスカスで、下着のウインドウショッピングを楽しむ女性イスラム教徒。2005年撮影。

「イスラム教徒の女性はいつでもヘジャブを被って家事をしている、というイメージは偏見です。それにわたしたちはもっと愛の大切さに目を向けるべきだとも思います」と、アルーハ氏は言う。

サウジアラビア王国は、シャリーアの法典に基づいて統治されており、女性の待遇に関してはきわめて保守的な国として知られる。

たとえば、サウジアラビアの女性は男性の同伴者なしで海外旅行をすることができず、もしそうしたい場合には、夫か保護者が旅行に同意して、空港または国境で「イエローシート」と呼ばれる書類に署名をした場合に限られる。また、女性が自動車を運転する権利も認められていない

2012年11月には、当局がSMSを利用して女性たちを監視し、その行動を追跡して、居場所を夫たちに知らせていたことが明らかになった。また、女性に投票の権利が与えられたのはつい最近の2011年のことであり、地方議会選挙に立候補できるようになったのは2015年になってからだ。

こうした女性に対する厳しい制限があるにもかかわらず、サウジアラビアには多数のランジェリーショップがある。しかし2012年までは、ランジェリーショップで店員として働けるのは男性だけだった。

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:水書健司/ガリレオ]

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