韓国「強制徴用されたから無効」明治の世界遺産登録めぐり日本と対立

幕末から明治にかけて作られた炭鉱や製鉄所などの、ユネスコ世界遺産への登録を巡って、日本と韓国が対立している。

幕末から明治にかけて作られた炭鉱や製鉄所などの、ユネスコ世界遺産への登録を巡って、日本と韓国が対立している。

世界遺産の登録を目指しているのは、長崎のグラバー邸や長崎造船所、官営八幡製鐵所、松下村塾など23カ所。韓国はこのうち、三菱長崎造船所など7カ所で「朝鮮人労働者の強制連行があった」とし、申請について考え直すよう求めている。

「人類の普遍的価値を持つ遺産を保護する世界遺産条約の基本精神に反する」(尹炳世外相)との立場だ。

韓国外務省報道官も7日の定例会見で、「再考を促したにもかかわらず、日本は登録を強行し、政治問題化させた。責任は日本にある」などと述べた。国会の羅卿●(=王へんに援の旧字体のつくり)外交統一委員長は同日までに、世界遺産委員会の各委員国に登録反対を訴える書簡を送った。

【世界遺産登録へ】韓国「政治問題化させた日本に責任」 “逆転”狙い対日協議も(1/2ページ) - 産経ニュース 2015/05/07 22:06)

朝鮮日報も7日、「韓国からすれば議論の余地がある」と日本の市井を批判している。

論争になっている23カ所は1850-1910年代に建設された産業施設や教育施設だ。日本は「明治日本の産業革命遺産」と称している。これらは薩摩藩の藩主が製鉄・紡績・造船事業を行った工場群「旧集成館」など日本が誇りにしている遺跡だが、韓国からすれば議論の余地がある。例えば、山口県の松下村塾は日本の知識人・吉田松陰が朝鮮を征伐しようという「征韓論」を広めた場所だ。太平洋戦争発生後、朝鮮人約5万7900人が強制労働で苦しめられた場所7カ所も含まれている。特に端島炭鉱は島の形が軍艦に似ていることから「軍艦島」と呼ばれたほか、「地獄島」とも言われた。ここで朝鮮人・中国人の鉱夫たちが最低でも1000メートルの海底坑道を掘って入り、一日12時間の厳しい労働を強いられたからだ。

Chosun Online | 朝鮮日報 2015/05/07)

一方、日本の岸田外務大臣は反発。批判の対象となっている建設時とは時期がずれているため、韓国の主張は当てはまらない、としている。

これについて岸田外務大臣は「今回の遺産は、対象の年代が1850年代から1910年とされており、韓国が主張しているような朝鮮半島出身の旧民間人の徴用工の問題とは年代や歴史的な位置づけ、背景が異なる。あくまで産業遺産としての顕著な価値に着目したものだ」と述べ、韓国側の主張は当たらないという認識を示しました。

そのうえで「明治日本の産業革命遺産」を巡る日本側の考え方はこれまでも外相会談の場などを通じて説明してきたとして、今後、政府間協議を開催して理解を求めたいという考えを示しました。

外相 世界遺産で韓国主張は当たらず NHKニュース 2015/05/08 11:28)

Ruins of Hashima

軍艦島の写真集

ハフィントンポスト日本版はFacebook ページでも情報発信しています

注目記事