「子連れ出勤」ってアリ? フジテレビに取材された企業「悪意を感じる編集」【UPDATE】

「とくダネ!」が「子連れ出勤」を特集し反響を呼んでいる。「ない」とする反対意見だけでなく、「慣れるまでは大変かもしれないけど、賛成」など、様々な意見が出た。
足成

フジテレビ系の「とくダネ!」が6月17日、子供連れで会社に出社する「子連れ出勤」を特集し、ネット上で反響を呼んでいる。子供を連れて出勤することに「ない」とする反対意見だけでなく、「慣れるまでは大変かもしれないけど、賛成」など、様々な意見が出ている。

この日、番組では、生徒の子供をあやしながら講義をするイスラエルの大学教授や、娘を抱いて議会に出席したイタリア人女性議員など、海外での子連れ出勤事情を紹介したほか、国内で子連れ出勤の導入を検討する企業や、既に導入している企業を紹介。

これから導入しようとする企業では、子連れ出勤を試した社員が、周りを気にして落ち着かない様子を報道された。反面、子供の方は慣れてくると大胆に行動するようになった。周りの社員の「集中力が切れる」「どうしていいかわからない」などのコメントも報じられた。ネットカフェで仕事をすると帰ってしまった男性社員の姿も写っていた。(文末に追記あり)

一方で、既に子連れ出勤を導入して2年が経過した企業「ソウ・エクスペリエンス」(東京都品川区)では、女性・男性に関係なく子連れで出勤していた。ちょっとした子供用のスペースがあったり、他の職員が協力して子供の面倒を見ている様子が紹介され、子連れ出勤する社員は「忙しいときは、他の社員が(子供を)見てくれて助かる」と話した。独身の社員も、「僕も子供が欲しくなった」などと述べた。

子連れ出勤について、番組の出演者らは司会者の小倉智昭氏(68)を除き、新しい働き方だとして全員が子連れ出勤に賛成。小倉氏は、「完全に大人の都合でしょ?」「子供を預かる施設が充実してればいいだけのこと」などと反論した。

Twitterには番組や子連れ出勤に対する様々な意見が投稿された

子連れ出勤に反対の意見としては「特殊な会社だからできるのでは」「余計に子供にも親にも負担にならないのか」「デスクワークの人しか無理」「子供嫌いの私にとっては地獄」「普通に遊んでるならいいけど、ケンカが始まったらどうするの?」「自分の子が迷惑かけているかなと思うとできない」などがあった。

賛成とする意見には「賛成、私もあんな所で働きたい」「結婚意欲が出たって独身社員がいるなら子育てに主体的になる男性の増加も狙えるのでは」「待機児童問題などで退職に追い込まれるくらいなら、子連れ出勤させてもらった方がいい」などのコメントが見られた。

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【追記】2015年6月18日 16:42

なお、子連れ出勤制度を導入予定だと紹介されていた企業「R-STORE」の担当者は、ハフポスト日本版に対し、「テレビで報道された内容が、事実とは異なる内容に編集されていた」と話した。R-STOREが子連れ出勤制度の導入について検討を行っているのは事実だが、既に土日は社員が子供を連れての出勤を認める雰囲気があり、子供を煙たがる人はいないのだという。

今回フジテレビの取材に応じたのは、きちんと制度化に向けて取り組んでいる姿を伝えたかったためだと担当者は話す。これまでの状況や、制度の導入に取り組む背景などをフジテレビ側には説明したというが、実際に放送されたのは「悪意を感じる編集」になった映像だった。R-STOREの代表取締役・浅井佳氏は、ブログで次のように綴っている。

昨日の放映を見てなんかすごい残念な会社みたいに扱われちゃってて(笑)。その様子がここにまとめられているわけだが、まあなかなか悪意を感じる編集で。(中略)

R-STOREはオフィスじゃない場所で仕事してよい会社なんで、気分変えたいときにカフェに行くとか普通にあること。で、その外出シーンを利用されて、いかにも「子供がいると集中できないんで、迷惑なんで外で仕事してきます」みたいな雰囲気に仕立てられて。色んなシーンで喋った言葉がつなぎ合わされてあんなコメントに仕立てあげられていて、かなり驚きました。(中略)

放映するなら、きちんとこちらの意図を伝えて欲しいですね。テレビの編集の怖さというか、番組のストーリーのために作為的に作り上げられるということが本当にあるんだなあ、と。身を持って感じました。積極的に「子連れ出勤」を導入したいと思っているのに、逆に僕らが困っているかのようなシーンばかり取り上げられてしまって。「うんちに行きたい」と子供が言いだすことが、さも迷惑なように取り上げられたり、レゴの音が社員の集中力を削いでいるような編集になっていたり。全然そんなことないですから。そういうシーンばかり繋げられて、「子連れ出勤」という取り組み導入のハードルがめちゃくちゃ高そうに見えてしまう構成になっていたのは、本当に残念でした。もっともっと良いシーンや楽しいシーンがいっぱいあったはずなんですよ。子供と話すのだって、今詰めて仕事している社員にとっては、よい息抜きにもなっていたのに。迷惑ばっかりかけているようなそんな伝え方フェアじゃないですよね。最後に、表明しておきますが、「子連れ出勤」R-STOREは今後も取り組んでいくつもりですので、誤解なきよう!

拝啓 小倉様(子連れ出勤の件) | R-BLOGSより 2015/06/18)

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