「ダンスフロアの夜明け」DJらが歓喜、クラブの規制緩和で深夜営業OKに【声明全文】

暗い空間で客が踊る「クラブ」の店内の明るさを一定以上にすれば、規制を緩和して朝までの営業が可能になる。
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クラブやダンス教室などの営業規制を緩和する改正風俗営業法が6月17日、参院本会議で可決、成立した。暗い空間で客が踊る「クラブ」の店内の明るさを一定以上にすれば、規制を緩和して朝までの営業が可能になる。ダンス教室とダンスホールの営業は規制対象から外れ、法律から「ダンス」の文言もなくした。公布から1年以内に施行される。毎日新聞などが報じた。

現行では、客に飲食を提供しダンスをさせる店を風俗営業としているが、改正法ではダンスをさせるかどうかではなく、主に店内の照度などによって風俗営業に該当するかを判断する

■改正風営法、店を「店内の明るさ」と「酒類を提供する時間」で分類

改正法では、店内の明るさや、酒類を提供する時刻によって3類型に分けた

クラブ店内の定められた場所の明るさを映画館の上映前後に相当する10ルクス超で、午前0〜6時に酒類を出す店を新たに「特定遊興飲食店営業」として許可制にし、風俗営業の適用対象から外す。原則24時間の営業を認めるが、条例で営業時間や営業地域を制限できるようにした。午前0時以降に酒類を出さないクラブは、通常の飲食店として24時間営業を認めるという。

一方、照度が10ルクス以下の店はこれまで通り「風俗営業」となる。営業時間は最も遅くて午前1時までだったが、条例で定めれば営業時間を延長できる規定も盛り込まれた。

警察庁は今後、店内のどの部分の明るさを測定するかを国家公安委員会規則で定める。ダンススペースではなくテーブル部分を測定することを検討するとみられる。

■日本を代表するDJらが歓喜、40人以上が声明文を発表

風営法改正案の成立に合わせ、DJ JIN、沖野修也、Zeebraら、日本のクラブシーンを代表するDJやミュージシャン40人以上が、連名で「ダンスフロアの夜明け」として「日本のクラブカルチャーの新たなステージを作っていくことが、我々の至上命題」などと声明文を発表した

「日本のクラブカルチャーの未来へ向けた声明文」

このたび、「客にダンスをさせる営業」について規制をしてきた風営法が改正されることになりました。

今回の法改正に至る背景には、超党派によるダンス文化推進議員連盟、内閣府の規制改革会議、規制当局である国家公安委員会・警察庁、地域の住民や商店会、そしてクラブカルチャーのみならず、社交ダンス、サルサをはじめとした広範なダンス文化を担う方々、さらには問題意識をもってパイプ役として活動してきた弁護士の方々による度重なる対話や議論などがあります。

もちろん、こうした対話や議論を進めていく状況の中で、常にクラブに足を運び続けていただいたクラブユーザーの皆様の声にも強く後押しされて参りました。クラブカルチャーのあり方については、まだまだ議論の足りない部分もあり、解決すべき問題も多く残されておりますが、今回の風営法改正により、日本のクラブカルチャーが大きな一歩を踏み出したことには間違いありません。

日本にクラブカルチャーができてから25年余の間、我々DJやクラブ業界は、様々な問題に直面してきました。残念ながら、純粋に多くの方々に向けて音楽を提案していきたいというDJやクラブ業界の姿勢とは相いれない事件が起きてしまったことがあるのも事実です。今後、これらの事実に対しても誠実に向き合うとともに、今回の法改正というタイミングを良き機会として、日本のクラブカルチャーの新たなステージを作っていくことが、我々の至上命題であると考えています。

2015年を日本におけるダンスミュージック元年ととらえ、我々DJは、ダンスミュージックの担い手のひとつとして、率先して日本のアート、エンターテインメントの未来を提案していく所存です。日本には数多くの才能豊かなDJがいます。ダンスフロアの夜明けと共にここに我々DJの力を結集し、日本の文化、社会、経済の発展のために尽力していきたいと思います。

DJ AMIGA、Darthreider、DJ EMMA、FYS aka BINGO、GUNHEAD、DJ HASEBE、DJ HAZIME、HIDEO KOBAYASHI、HIROSHI WATANABE、石野卓球、DJ JIN(RHYMESTER)、DJ JURI、DJ KAORI、川辺ヒロシ、DJ KAWASAKI、DJ Ken-Bo、ケン・イシイ、木村コウ、Komatsu、DJ KYOKO、DJ MASTERKEY、MURO、DJ Nori、DJ Ogawa、沖野修也、大貫憲章、大沢伸一、Q’HEY、Remo-con、RYUKYUDISKO、Satoshi Tomiie、佐藤強志、Shotaro Maeda、DJ SILVA、Sugiurumn、須永辰緒、高木完、TAKAMI、高宮永徹、Takeru John Otoguro、☆Taku Takahashi、田中知之、DJ TSUYOSHI、DJ WATARAI、Watusi(COLDFEET)、YAMA、DJ YOKU、Zeebra(※アルファベット順)

「風営法改正、未来へ大きな一歩」 DJらの声明文全文:朝日新聞デジタルより 2015/06/17 23:04)

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