稲田朋美氏、教科書の「間違い」を指摘し「憲法学会のど真ん中かどうかではない」

自民党の稲田朋美・政務調査会長がNHKの「日曜討論」で憲法学会の使っている本を取り上げ、憲法学会にも間違いがあるとする考えを明らかにした。

自民党の稲田朋美・政務調査会長(56)は6月21日、NHK総合で放送された「日曜討論」で憲法学会の使っている本を取り上げ、憲法学会にも間違いがあるとする考えを明らかにした。

この日、番組では現在国会で議論が行われている安全保障法制(安保法制)について、4日に行われた衆院憲法審査会で3人の憲法学者がそろって「違憲である」と述べたことが取り上げられた。

民主党の細野豪志・政策調査会長(43)は、「(自民党が推薦した参考人で早稲田大教授の)長谷部恭男教授は、集団的自衛権そのものが違反と言っている。憲法学のど真ん中にいる長谷部教授がこの発言をした重みを、国会議員である我々はしっかりと受け止めるべき。今、自民・公明がやろうとしていることは、日本の憲法学そのものを否定するぐらい大変なことだ」と噛み付いた。

これに対して稲田氏は、芦部信喜著の『憲法』という本を引き合いに出し、「長谷部教授が『憲法学会のど真ん中』という話があったが、まさしく憲法学会のど真ん中、憲法学会の最高の教科書的な本には『自衛隊は9条2項の戦力にあたる』、すなわち、違憲であると書いてある」と反論。教科書にも間違いがあるとする考えを示した。

さらに稲田氏は、「憲法学会のど真ん中かどうかということではなくて、日本の国民の生命と身体、財産、平和な暮らしを守るのは政治の責務。憲法の合憲性の最終的な判断である最高裁の判決のいう、日本の国の存立の脅かされるような場合には、主権国家として自衛権は行使できるというのが基本だ」と述べた。

細野氏は、「自衛隊は違憲ではない」と認めたものの「憲法学との対話を一切せずにこの法案を出してくる」と与党を批判。「しっかり議論して(法案を)出していくべきものだ」と非難した。

集団的自衛権、憲法解釈の推移

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