ミスティ・コープランドさん、世界最高峰バレエ団のプリンシパルに(画像・動画)

世界最高峰バレエ団の一つ、アメリカン・バレエ・シアターは6月30日、ミスティ・コープランドさんをプリンシパル(首席)ダンサーに昇格すると発表した。

世界最高峰バレエ団の一つ、アメリカン・バレエ・シアターは6月30日、ミスティ・コープランドさんをプリンシパル(首席)ダンサーに昇格すると発表した。ニューヨークを拠点に、その78年の歴史を通して世界トップクラスのダンサーを迎えてきた同バレエ団で、アフリカン系アメリカ人の女性がプリンシパルになるのは初めて。

コープランドさんは32歳。アメリカン・バレエ・シアターで14年間に渡って在籍し、8年間はソリストとして活躍していた。最近では、「白鳥の湖」のオディットとオディールを演じ、拍手喝采を浴びた。

コープランドさんはアメリカ・カリフォルニア州のサンペドロで生まれ、家の近くで無料で行われていたバレエクラスで初めてレッスンを受けた。そのとき彼女の家族は、昔ながらの若いバレリーナの物語とは違い……モーテルに暮らしていた。

幼い頃からコープランドさんは、バレエ団で最も上手くなってプリンシパルを踊ることを願っていたという。「その頃恐れていたのは、今の私が一流のバレエ・カンパニーで得たこのポジションを黒人女性が演じるには、あと20年がかかるんじゃないか、ということでした」。当時をふり返り「もし私がプリンシパルに上がれなかったら、人々は、私が夢を叶えられなかったと思ったことでしょう」と語った。

今、彼女の名声が高まったことは、古い伝統に当てはまらない世界中の若いダンサーのたちにも刺激を与えている。類まれな才能と努力によって、彼女は世界中の若いダンサーのヒロインになった。Instgramには51万人以上のフォロワーがおり、息を飲むような美しいバレエを披露した、スポーツ用品ブランド「アンダーアーマー」のYouTube広告は、800万以上再生された。

「母は、(白人と黒人の)両方の人種を持った女性として、私にもそのように伝えていました。ただ私がどう思おうと、世界は私を“黒人の女性”だとみなしました」。タイム紙の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたコープランドさんは語った。

「私はそんなことが自分の人生で重要だなんて思っていなかったのです。17歳でアメリカン・バレエ・シアターに参加したときに初めて、80人いるダンサーのなかで、自分がたった一人のアフリカ系アメリカ人の女性であることを知ったのです」

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アメリカン・バレエ・シアターには、これまでアフリカ系アメリカ人の女性プリンシパル・ダンサーはいなかった。同バレエ·シアターの芸術監督のケビン·マッケンジー氏は、ハフポストUS版のメール・インタビューに対し「今日、アメリカン·バレエ·シアターでは、7人の素晴らしいダンサーたちが昇進しました」とコメントした。「それぞれが才能を発揮し、激しい競争下で成功するためにハードワークを重ねてきました。そんな彼らを、私はこの上なく誇りに思います」

コープランドさんは語る。「私のようなバレリーナを、見たことはありませんでした。そして私は、前を歩んできた、すべての“褐色の”バレリーナたちを受け入れる存在として、ここにいるのです」と。

おめでとう。ミスティ。未来を明るく照らす、歴史的な第一歩だ。ミスティの存在によって我々は、バレエにおけるダイバーシティ(多様性)の道筋を想像することができるのだ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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