土地が高すぎて買えない? カナダには運べる「ちいさいおうち」があります

不動産の価格が上がり続けているカナダのブリティッシュコロンビア州では、「マイクロホーム」と呼ばれるトレーラーで運べる超小型住宅が広がりつつある。このマイクロホームを集めた村もオープン予定だ。

不動産の価格が上がり続けているカナダのブリティッシュ・コロンビア州では、「マイクロホーム」と呼ばれる超小型住宅が広がりつつある。

マイクロホーム


マイクロホームはトレーラーでけん引して運ぶことができるコンパクトな家だ。公道を通って好きな場所に移動でき、設置場所さえあれば建築許可や固定資産税は必要ないという。

そのマイクロホームを集めた「マイクロホーム村」が2015年8月、同州中西部の街テラスにオープンする。この村を作ったのはマイクロホームを作っているハミングバード・マイクロホームズ社だ。

マイクロホームはどこに設置するかが問題になっていた。これを解決するために、同社はテラスの郊外に、マイクロホームを集めたコミュニティを作ることを思いついたのだ。

テラスを選んだ理由の一つは、この街で住宅の供給が人口の増加に追いついていないことだ。テラスでは、近郊の街にあるアルミニウム製造会社が工場を大規模改修したため、労働者がこの地域に流れ込んで人口が増えている。

他にもエネルギー開発による人口増加も見込まれているし、都心の住宅価格高騰を嫌がる若い世代もテラスに移ってきている。

ハミングバード・マイクロホーム社のアリー・ブレイク氏は「住宅の需要が急激に増えているテラスでも、マイクロホームは手頃な値段です」と話す。

村に設置されるマイクロホームは、広さ18平方メートルのものから55平方メートルのものまである。家の中にはバスルームとキッチンが完備されており、寝室は1人用から4人用のものまである。

エネルギーは通常の電力かソーラーパネルで発電された電力を使う。ブレイク氏によれば「マイクロホームは光熱費や維持費にかかるエネルギーが少ないので、カーボンフットプリントとコストを抑えてシンプルに暮らすことができる」そうだ。

マイクロホーム村は、ハミングバード・マイクロホーム社が所有する土地に作られ、居住者は次のオプションの中から暮らし方を選ぶことができる。

  • 1カ月750カナダドル(約7万円)払ってマイクロホームを借りる(都市部で寝室が2つあるアパートを借りた場合の平均家賃の約半分の価格)
  • 約3万6000カナダドル(約345万円)でマイクロホームを購入し、そのまま村に住む。
  • マイクロホームを購入して、別の場所に移り住む。

ブレイク氏は「マイクロホームの価格は、人によっては住宅の頭金程度です。住宅ローンを抱えずに購入することができます」「少ない持ち物での生活できる人は、マイクロホームでシンプルな生活を楽しむことができるでしょう」とこの小さな住宅の魅力を強調する。

マイクロホームを、ホームレス問題の解決策として活用することを検討している自治体もある。地元の独立系テレビ局「CHEK News」によると、同じブリティッシュ・コロンビア州のビクトリア市は、公園に寝泊まりするホームレスのためにマイクロホーム村を作ることを検討しているという。

このプロジェクトを提案した市議会議員のベン・イシット氏は、現在ビクトリア市は、60万カナダドル(約5700万円)をホームレス対策に使っているが、マイクロホーム村のほうが効果的だろうと話している。

この記事はハフポストカナダ版に掲載されたものを翻訳しました。

[日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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