武藤貴也議員、自民党を離党 「週刊文春の記事は恣意的で心外」

未公開株の購入を持ちかけ、集めた出資金の返還を巡ってトラブルになっていると報じられた武藤貴也衆議院議員は19日、自民党を離党した。

自民党の武藤貴也衆院議員(36)は8月19日、知人に未公開株の購入を持ち掛け、出資金の一部を返済せず金銭トラブルになっていると週刊文春に報じられたことを受け、党執行部に離党届を提出し、受理された。安全保障関連法案の参院審議が続く中、国会運営への影響を抑えるため早期幕引きを図ったとみられる。時事ドットコムなどが報じた。


武藤氏は代理人を通じて離党届を提出。この後、コメントを発表し、「党に大変な迷惑を掛け心苦しく思う。プライベートなことで党にこれ以上迷惑を掛けるわけにはいかない」と説明。この問題では関係者と東京地裁で係争中であるとして、「(事実関係は)法的な場でしっかりと明らかにしていきたい」とした。

(中略)

武藤氏に関し、谷垣禎一幹事長は記者団に対し、「ご自身がきちっと説明責任を果たさなければならない」と語り、疑念の払拭(ふっしょく)に努めるよう求めた。また、谷垣氏は武藤氏の離党について安倍晋三首相(党総裁)に電話で報告。首相は「仕方がない」と語ったという。

時事ドットコム:武藤氏、自民を離党=金銭トラブルで引責 2015/08/19 18:20)

週刊文春によると武藤氏は2014年、「国会議員枠で買える」とソフトウェア会社の未公開株の購入を知人らに持ちかけた。その後、話に乗った23人が計約4000万円を武藤氏の政策秘書の口座に振り込んだが、株は実際には購入されず、出資金のうち6人分の約700万円分が返済されていないという。

武藤氏は、自身のFacebookにコメントを掲載、「本日の週刊文春記事では、株の売買に私が関与したことなどが記述されておりますが、極めて恣意的に書かれており非常に心外です」などとして報道に反論。さらに、「議員としての活動は今後とも続け、国民の皆さんのご期待に応えられるよう、引き続き日本の安全と繁栄のため、日本の名誉を取り戻すため尽力してまいる所存です」と記し、議員辞職は否定した。

武藤氏は7月末、安全保障関連法案に反対する大学生らでつくる「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)によるデモについて、「『戦争に行きたくない』という極端な利己的考え」などとTwitterで批判し、与党内でも問題視されていた。

自民党の対応について、毎日新聞は「安保関連法案への世論の批判が強まるなか、速やかな離党で幕引きを図った形だが、野党に新たな追及材料を与え、今後の国会審議にも影響しそうだ」と指摘。民主党の近藤洋介・役員室長は記者団に「自民党が調査する必要がある。不透明なままほおかむりすると、この問題をうやむやにしかねない」と語り、国会で追及する考えを示した

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