iPhoneを作ったスティーブ・ジョブズは、シリア移民の子供だった

ジョブズ氏の父、アブドゥルファター・ジョン・ジャンダリ氏は、1931年にシリア西部の都市ホムスで生まれた。
スティーブ・ジョブズ氏(2010年撮影)
スティーブ・ジョブズ氏(2010年撮影)
Robert Galbraith via Reuters

2011年に亡くなったアップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏の写真が、難民問題への関心を高めるために使われている。

ジョブズ氏は、1954年にアメリカに渡ったシリア人男性の息子だった。トレードマークのふちなし眼鏡をかけた彼の象徴的な白黒写真が「シリア移民の子供」というキャプションと共にTwitterに投稿されると1万3000回以上リツイートされた。

ツイートを投稿したのはハイテク起業家のデビッド・ガルブレイス氏だ。9月2日に、シリアの3歳の男の子アイラン・クルディ君の遺体がトルコの町ボドルムの砂浜に打ち上げられた後に投稿した。

アイラン・クルディ君の遺体を運ぶ憲兵隊員
アイラン・クルディ君の遺体を運ぶ憲兵隊員

アイラン君は、家族と共にトルコの町ボドルムからギリシャのコス島に移動中、乗っていたボートが沈没して死亡した。砂浜に打ち上げられた彼の写真は、世界に衝撃を与え、難民問題の深刻さを突きつけた。

ジョブズ氏の父、アブドゥルファター・ジョン・ジャンダリ氏もまたシリア出身だった。彼は1931年にシリア西部の都市、ホムスで生まれた。レバノンの首都ベイルートで学んだあとアメリカに渡り、ジョブズ氏の母と出会った。2人のあいだに生まれたジョブズ氏は、生まれてすぐに養子に出された。

ジョブズ氏の写真を投稿したガルブレイス氏は、シカゴ・トリビューン紙に「アイラン・クルディ君の写真を見て、ジョブズ氏の写真を投稿しようと強く感じたんです」と話している。

アイラン・クルディ君(左)と兄のガリップ君(右)。 2人とも海で命を落とした
アイラン・クルディ君(左)と兄のガリップ君(右)。 2人とも海で命を落とした

「私にも幼い子供が2人いるので、写真を見ていられませんでした。幼い子供は世界で最も尊い存在です。その子供がまるで何の価値もない物のように、海岸に打ち上げられているようでした。その一方で、同じ国籍の親を持った子が、チャンスを与えられて世界で最も大きな会社を作りました。そしていま、移民の受け入れに反対する激しい議論が行われています」

「写真は色々な意味でアイラン・クルディ君の写真と対照的で、もし彼が生きてチャンスを与えられていたなら、何ができたのだろうかと考えさせられました。140文字の制限があるメディアでは、写真は1000語以上の力を持っています」

この記事はハフポストUK版に掲載されたものを翻訳しました。

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