「サルの自撮り写真、著作権はサルにある」 動物愛護団体PETAが訴える

PETAの言い分は?

アメリカの動物愛護団体「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(PETA)は9月22日、サルが自撮りした写真の著作権はサルにあるとしてサンフランシスコの連邦裁判所に訴訟を起こした。PETAによると、訴えが認められれば「動物に財産権が認められる初の事例となる」という。

問題となっているのは、インドネシアのクロザル「ナルト」が2011年、イギリス人の写真家デイビッド・スレイター氏のカメラを奪って自撮りした写真。スレイター氏は、この写真を収録した写真集を販売しており、Amazon.comで売られている「WILDLIFE PERSONALITIES」の価格は60ドル(約7200円)だ。

この写真はWikipediaにも投稿されたが、スレイター氏は同サイトを運営するWikimedia財団に写真を削除するよう依頼。著作権はスレイター氏に帰属し、人が写真の使用を求めるたびに彼に著作料を支払われるべきだと主張した。スレイター氏が三脚に設置したカメラから数分間離れた隙に、ナルトが写真を撮りまくったと説明している

ところが、Wikimedia側は、写真はサルが撮影したもので、スレイター氏ではないことを理由に写真の削除を拒否した。

アメリカの著作権局は2014年、「動物や植物が作成したものを、著作権登録することはない」と見解を表明したが、PETAは「アメリカの著作権法は、動物が著作権を持つことを禁止していない。ナルトが自身で写真を撮ったので、一般的な人間と同じように、ナルトに著作権がある」と主張している

また、PETAはナルトらクロザルのコミュニティの利益のために、この写真の売上管理を行う権利も裁判所に求めている。

【関連記事】

注目記事