ヨルダン川西岸のナブルスにあるユダヤ教の聖地「ヨセフの墓」が10月16日、パレスチナ人による放火を受けた。ナブルスはイスラエルが占領する地域。パレスチナ側の行為はイスラエル側を刺激することは間違いなく、報復の連鎖につながる恐れがある。
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ヨセフは、旧約聖書の創世記に登場する人物。ヨセフの墓は1967年のイスラエルによるナブルス占領以降に建てられたもので、占領以前、この場所にはモスクがあった。パレスチナ人は、この場所には同地を治めていた部族の長老の墓があると考えているため、イスラエル側によるこの地にヨセフの墓があったとする主張は捏造で、この場所を支配するための口実にすぎないと見ている。
今回の襲撃では、「ヨセフの墓」へ火炎瓶が投げ付けられて霊廟が炎上。イスラエル軍によると、この場所にパレスチナ治安部隊が到着して事態を収拾する前に、100人ほどが集まっていたという。
パレスチナ自治政府のアッバス議長は、今回の襲撃について「私たちの宗教、モラル、文化を傷つけるもの」として、襲撃について調査を行うと述べた。
イスラエル軍の広報担当者は、この襲撃について「恥ずべき行為。このような行為をした人物に、正義の裁きを与える」とコメント。墓の修復を約束した。
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パレスチナ自治区のガザを支配するハマスは、イスラム教の礼拝が行われる金曜日に「怒りと対立の集会」として、イスラエルに対する闘争を呼び掛けており、16日にはナブルス以外にも、ベツレヘムやラマラなど多数の地区で、パレスチナ人とイスラエル軍が衝突。報道を装ったパレスチナ人の男が、イスラエル兵を刺して射殺される事件も発生した。イスラエルのネタニヤフ首相は「テロに対してあらゆる措置を取る」と述べた。
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