うつ病と向き合う男性たち。力強い写真が教えてくれること

社会的な認知を変える、写真の力。

うつ病は、時に欠点や弱さの一種と見なされることが多い。しかし、この新しいプロジェクトは、その社会的な認知を写真の力で変えようとしている。

同プロジェクトを企画したのは、カナダのメンタルヘルス団体「HeadsUpGuys」では、うつ病の男性が製作した作品を発表している。写真は、うつ病の人がどう感じているか、そして気分が良くなるとはどんな感じなのかを表している。プロジェクトの目標は、「うつ病は自分だけの経験ではないと男性が自覚するサポートをすることです」とコーディネーターのジョシュア・ベハリー氏は語った。

ベバリー氏は、ハフポストUS版に対し「うつ病について話せば話すほど、うつ病を取り巻く社会的なよくない風評は薄れていきます」と語った。「うつ病には、正面から向き合う必要があります……。心臓病や糖尿病に向き合おう、とは思わないかもしれませんが、うつ病にと向き合うことは決して難しいことではありません」

これらの写真は、うつ病への理解を広めるだけでない。多くの人々が必要としてきたことだが、これらの写真は、間違った不名誉を与えられている、うつ病に苦しむ人たち自身を表現している。研究によれば、男性は、女性に比べてあまり治療法を探そうとしないという。

「社会には、男性に“強く”なければならないという圧力が存在します。そして、心の病気を抱えた人は、“弱い”と思われがちです」。写真を発表したロビー・キャバノーさんは語った。「それが理由で、心の病に苦しむ男性は、気持ちを溜め込んでしまいます。きっと、これがひとつの要因で、男性の自殺率は女性よりもはるかに高いのでしょう。男性が、自由に気持ちを表現し、助けを求められるように促す必要があります。恐れたり、あざ笑われたりすることなく、です」

カナダの衛生行政機関によれば、約11%のカナダ人男性が、人生のある時期にうつ病を経験するという。アメリカでも毎年、約600万人の男性がうつ病にかかっている。世界中を見れば、3億5000万人近くの人々がうつ病に苦しんでいる

今日では、うつ病はまったく珍しくない病気だが、男性同士の対話は非常に少ない。それこそが写真を発表しようと決めた理由だと、ネイサン・ミルナー氏は話した。10代の頃から、心の健康問題を抱えてきた彼は、うつ病への理解を高めたいと考えた。それは彼にとって、とても個人的な問題に思えたのだ。

「すべての人に男性のうつ病が現実であることを知ってほしいです。うつは、命を奪うこともある、そのことを私たちみんなが知るべきです」

ミルナーさんがこのプロジェクトに望むことは、同じ問題と戦っていると感じる人たちが、治療法を探しはじめることだ。

「難しいかもしれませんが、助けを求めることが回復への第一歩です。自分に起きている問題について、声を上げられることだけが、ありのままの自分を受け入れることにつながります。恥じることは何もありません」

下の画像は、このプロジェクトで発表された作品だ。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

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