2015年12月13日 22時11分 JST | 更新 2015年12月13日 22時11分 JST

仕事の成果を上げるのは「眠りの質」だ。睡眠にまつわる7つの法則

仕事で成果を出すためのカギは、いつもの睡眠にありました。質のよい睡眠をとるためのコツをご紹介します。

今の自分に満足していますか? なんだか気持ちがパッとしない、人の意見を前向きに受け止められない、すぐに出来るはずのことに時間がかかる……。どうしたら自分本来の力を発揮し、仕事で成果を出せるでしょうか?

そのカギはいつもの睡眠にありました。

1.クリエイティブな人はよく寝ている

「いいアイデアが浮かばない……」もしかしたらそれは睡眠不足のせいかもしれません。なぜなら、睡眠不足は脳の認知機能や記憶力を低下させ、生産性を下げてしまうからです。 「そんなことはない。ちゃんと寝ている」と自分では思うかもしれませんが、果たしてそうでしょうか。

眠りの深さには変化があり、体や脳が休息する「ノンレム睡眠」と、筋肉の弛緩と速い眼球運動を伴う「レム睡眠」とを繰り返しています。睡眠の前半にはノンレム睡眠の出現が多く、後半はレム睡眠が増えるという特徴があります。

実はノンレム睡眠には、短期記憶の入力をブロックしたり、不要な記憶を消したりすることで、精神性ストレスを消去する役割があります。一方のレム睡眠には、記憶の整理や、必要な記憶の固定、記憶を引き出すための索引作りが行われているといいます。

いいアイデアやひらめきを生むためには、情報の断片をうまく組み合わせることが大切です。しかし、慢性的に睡眠が不足すると、目の前にヒントがあっても気づきにくいだけでなく、せっかくインプットしたはずの情報を引き出す力まで低下してしまいます。

あなたの中には、すでに十分な情報が蓄えられているはず。しっかり眠ることは、世紀のひらめきを呼び起こす準備作業でもあるのです。

2.夜更かしして仕事するより、いったん寝てから仕事する

急ぎの仕事が舞い込んできました。明日の午前中には完成させなくてはなりません。さあどうしますか? 「朝までがんばって、その後寝ればいいや」と、気力と体力のあり余る20代ならできるかもしれません。しかし、年々つらくなっていることでしょう。

そんなときは、思い切って先に寝るのがおすすめ。仮に3時間しか眠れないなら、朝までがんばった後に3時間眠るより、午前0時までに就寝し、3時間眠ったほうが、仕事ははかどるし、体も楽です。なぜなら、人の体温の周期のリズムにあっているから。

人は深部体温(体内部の温度)が下がると眠くなりますが、明け方近くになると、下がりきった体温は上昇をはじめ、起床の準備に入ります。体が活動モードに入ろうとしている明け方に無理矢理眠ろうとすると、深い眠りが得られず、体に負担がかかるのです。

3.眠れば第一印象でトクする顔になる

「最近、顔が疲れてるかも」鏡を見てそう感じたら、しっかり眠る合図です。荒れた肌、血色の悪い顔、ハリのない表情を見たら、気持ちが沈んでしまいませんか? それは他人への第一印象でも同じこと。実は、コミュニケーションに大切な「表情」を左右するのも睡眠です。

入眠後30分から1時間ほど経過したとき、人は深い睡眠に入ります。この最初の深い睡眠が一晩の眠りの中でも特に大きな意味を持ちます。なぜなら、ここでまとまった量の「成長ホルモン」が分泌されるからです。

成長ホルモンはタンパク質の合成と細胞分裂を促し、皮膚細胞を再生させ、肌を整えます。

それだけではありません。睡眠をとることで交感神経が休息するため、血流が増加し、むくみがとれ、肌にみずみずしさと血色がもたらされます。また、脳が十分休息することで免疫機能がしっかり働くようになるため、肌の健康も維持され、表情にもハリが生まれます。

それが自信につながり、自然と笑顔も増えるでしょう。健康的でエネルギッシュな人はとても魅力的。その日のプレゼンはきっと成功するに違いありません。

4.寝返りは重要。コロコロ転がればフットワークも軽くなる

ちゃんと寝ているはずなのに、目覚めが悪い、体がだるい、ぼんやりするというときは、睡眠の質を疑うべきかもしれません。実は睡眠は時間だけでなく、「質」も大切なのです。

質のいい睡眠とはなんでしょうか。それはスムーズに入眠し、途中で目覚めず、十分な深い眠りが得られ、気持ちよく目覚められる眠りのこと。脳と身体をしっかりと回復させ、翌日の活動に活力をもたらす睡眠です。

では、良い睡眠を得るにはどうしたら良いのでしょうか。そのコツの1つが、寝返りのしやすい寝具を選ぶこと。

実は寝返りは、睡眠には必ず必要な行動なのです。静止していた身体を動かすことで血液や体液の循環を促し、また体温や寝具の中の温度調節もします。人は、ひと晩で20〜30回は寝返りをすると言われています。

しかし、体が沈み込みやすい寝具を使っていると、寝返りに大きな力が必要となり時間もかかるため、覚醒しやすくなったり、眠りが浅くなったりします。その場合、深部体温が下がりづらく、深い眠りも得られず、結果的に睡眠の質を落としている可能性も。

寝具選びをする際、どうしても触り心地や横になったときの“感触”で選んでしまいがち。しかし、本当に大切なのは、寝ているときのコンディションです。寝返りがしやすい適度な反発力のある寝具ほど、眠りの質が高まるとの報告もあります。

スムーズな寝返りは、気持ちよい目覚めと活動的な1日につながると心得ましょう。

5.睡眠の「質」を上げるために、今すぐできること

寝ても寝ても眠くて、1日中ダラダラと寝ていた、という経験はないでしょうか。

これは、体内時計に合わない過ごし方をして、質の悪い睡眠を繰り返したため。この負のスパイラルを裁ち切り、熟睡感を得るために今すぐできることがあります。

朝、目覚めたらカーテンを開けて、太陽の光を浴びましょう。朝食も忘れずに。これで体内時計がリセットされて、次の快適な眠りへのカウントダウンが始まります。

昼間はできるだけ動き回りましょう。よく活動して体温を上げておくと、夜眠りやすくなります。デスクワークが多い方でも、なるべく体を動かすことを意識してみてください。帰り道は、一駅前で降りて歩くのもおすすめ。

帰宅後は、39度くらいのぬるめのお風呂にゆっくり浸かり、1日の疲れを癒やしてリラックスしましょう。夕食や飲酒は就寝時間の2〜3時間前に終えるのが理想的です。食後のカフェインは控えましょう。

就寝前は着心地のよいパジャマや、寝返りのしやすい寝具、お気に入りの音楽やアロマなどを揃えて、リラックスできる空間に身を置いて。照明は暖色系のライトに変えて、暗めにしておくと安らぎます。ブルーライトを発するパソコンやスマートフォンの利用は、就寝前に早目に切り上げましょう。

まずはできることから始めてみてください。

6.眠る前にいいことを考えよう

ちょっと落ち込んでしまった日、ベッドに横になると、その日あったことを思い出してしまいませんか。やがて「あぁ明日も早いのに、眠れない。どうしよう」と、悩みが“眠れない焦り”に変わり、余計に眠れなくなってしまいます。

そんな時は、何かいいことを考えてみましょう。自分の趣味や、美味しかったもの、「週末どこに行こうかな」と想像してみるのもいいかもしれません。

頭の中を好きなことや心地よいイメージで満たすことで、嫌な気持ちが薄らいで、リラックスできるのです。そうすると眠りやすくなりますし、睡眠の質の向上につながります。

7. 睡眠は明日への充電。1日のスタートは眠りから

「睡眠は1日の終わり」と思っていませんか?翌日に備えてスマートフォンを充電するように、人間にも明日の活動のための充電が必要です。理想的な1日を送りたいのなら、「1日のスタートは睡眠から」と考えましょう。睡眠の質が上がれば上がるほど、あなたの輝きも増すに違いありません。

明日はきっと活動的で成果の出る日になるでしょう。

<参考資料>

「基礎講座 睡眠改善学」ゆまに書房、(編)日本睡眠改善協議会/「睡眠とメンタルヘルス」ゆまに書房、(編)白川修一郎/「「睡眠力」を上げる方法」永岡書店、白川修一郎/「快眠のための朝の習慣・夜の習慣」だいわ文庫、(著)内海裕子、(監修)白川修一郎

文:すずまり

IT関連サービスやモバイル、家電製品を主に扱うフリーライター、睡眠改善インストラクター。自身が体験した睡眠障害から睡眠の大切さを痛感し、睡眠改善インストラクターの資格を取得。スマートフォンや、活動量計を中心としたデジタルデバイスの活用も得意とする。