「胸のデカさに俺はキョソを失った」 大学受験の学習書にセクハラ表現

「彼女の体のユルやかなラインが僕をほっとさせる」。女性に対するセクシャルハラスメントの表現が多用された文章が、高校生も使用する大学受験の学習書に掲載されていることがわかった。
The Huffingtonpost

「彼女の体のユルやかなラインが僕をほっとさせる」。女性に対するセクシャルハラスメントの表現が多用された文章が、高校生も使用する大学受験の学習書に掲載されていることがわかった。

問題の参考書は、参考書や問題集を出版している駿台文庫(東京都千代田区)が2015年2月に刊行した「生きるセンター漢字・小説語句」。この学習書を高校で配布されたという女子生徒の親がSNSに投稿したことから発覚した。Twitterなどでは「女性に対するセクハラ」「子どもに使わせたくない下品な内容」と抗議の声が上がっている。

問題が指摘されている参考書には、女性に対する性的な表現や女性蔑視の表現が多くみられた。以下はその一部で、カタカナの部分の漢字と一致するものを例文から選ぶという問題だ。

胸のデカさに俺はキョソを失った。

彼女の体のユルやかなラインが僕をほっとさせる。

彼女のなだらかなキュウリョウをうっとりと眺めた。

きみのエキスをチュウシュツして飲み干したい。

夫婦間の家事ブンタンなんて幻想だ。

一定スイジュン以上の女の子しかここには入れないんだよ。

男の収入をドガイシできる女なんているのか?

男なら君に大いにカンキョウをもよおすよ。

ゆっくり奥までソウニュウしてください。

左手を軽くソえてね。

女性諸君、まず結論をテイジしたまえ。

男にツくしても返ってこないから。

相手が気持ちいい程度にソクバクするんだよ。

教授と私のミッセツな関係を誰にも気づかれてはいけない。

敏感なところは強くシゲキしちゃだめよ。

あらゆるソクメンから君を研究したい。

君にチョクセツ触れたいのに……。

私の人生に男性はフカケツなの。

下僕のように扱われることが快感だった。

息をのんで女子の着替えを見つめる。

彼女はたまらず声を洩らした。

彼女がリズミカルにシめ付けてきた。

この学習書を出版した駿台文庫は、予備校大手「駿台予備学校」の教材や試験問題集の出版事業部門として設立。その後は、受験生や学校現場で使用される学習参考書・問題集の刊行にも進出しているという。

「生きるセンター漢字・小説語句」は、「センター試験の実践形式を用いて、漢字および小説などに登場する語句の意味を身につけるための学習書」で、一般の書店でも販売されている。問題視されている例文は、小説作品からの引用ではなく、駿台予備学校の講師が執筆していた。

実際にこの学習書を高校で配布され、不快に感じた女子生徒が、親に相談。女子生徒の親が駿台文庫に問い合わせたところ、女性担当者が「お嬢様がとても傷付いたということで、申し訳ありませんでした。しかしこれらの例文は私たち女性スタッフも交えて検証しているものです。現代の生きている言葉を使おうということで、こういう言葉を使いましたが、今回のご指摘を受けて、少し行きすぎのことがあると思いますので、再版の折には、著者と再度精査いたします」と話したという。

女子生徒の親は、ハフィントンポスト日本版の取材に対し、「どれだけ多くの女子高生たちが、満員電車の中で痴漢にあうなどの性的な被害にあっているか、知られていません。女子高生がこの学習書の問題を解く度に、痴漢にあってるのと同じ気持ちになることを理解してほしい」と話している。

ネット上でこの学習書の内容が明らかになると、Twitterでも批判の声が寄せられた。

セクハラ表現のある学習書

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