「そうだ難民しよう!」著者のサイン会中止。書泉グランデが決めた理由は

内容が差別的との批判が出ているイラスト集「『そうだ難民しよう!』はすみとしこの世界」をめぐり、東京都千代田区の書店「書泉グランデ」で2月11日に開催される予定だったサイン会が中止になった。
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内容が差別的との批判が出ているイラスト集「『そうだ難民しよう!』はすみとしこの世界」をめぐり、東京・神保町の大型書店「書泉グランデ」で2月11日に開催される予定だったサイン会が中止になった。『そうだ難民しよう!』の出版元である青林堂がTwitterで告知した。

朝日新聞デジタルによると、1月26日に書泉グランデの公式サイトで告知すると、Twitterなどで「書店が差別に加担するのか」などと議論となり、27日には数十件の抗議電話があった。出版元の青林堂と協議し、中止が決まったという。

表題作は、少女のイラストに「何の苦労もなく 生きたいように生きていきたい 他人の金で。 そうだ難民しよう!」と書かれている。もともとは著者がFacebookに投稿したものだったが、内容が差別的ではないかと議論になった後、2015年12月にイラスト集として出版された。これには「そうだ在日しよう!」「そうだ被害者しよう!」などと書かれたイラストも収められている。

出版関係者らでつくる「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」事務局の岩下結氏は、「批判を浴びた漫画のタイトルをあえて書籍のタイトルにつけ、批判された無名の描き手を起用するなど、出版側は確信を持ってやっている。政治的な批評を超え、あからさまな差別の扇動だろう」と批判していた

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