フィリピンを訪れている天皇、皇后両陛下は1月29日、ルソン島中部のカリラヤを訪れ、日本政府が建立した「比島戦没者の碑」に深々と頭を下げ、約52万人の日本人戦没者の霊を慰められた。両陛下は国籍を問わず戦没者を慰霊することを希望されており、今回の訪問で、日本人とフィリピン人両方の慰霊碑への拝礼が実現した。朝日新聞デジタルなどが報じた。
両陛下はこの日午前、マニラからヘリでカリラヤに入った。日本から駆けつけた約150人の元日本兵や遺族らが見守るなか、慰霊碑の前へ。そろって一礼した後、日本から運んだ白菊の花をたむけ、遺族らとともに頭を下げた。予定にはなかったが、続いて遺族らに歩み寄り、一人一人に「ご苦労さま」「お元気で」などと声をかけた。
「比島戦没者の碑」は1973年に日本政府が建立した。碑は両端が曲がった形で、厚生労働省によると「戦没者を懐に迎え入れることを意味する」という。多くの遺族がここを訪れ、戦没者を追悼してきた。
(両陛下、フィリピン「戦没者の碑」に供花 遺族とともに:朝日新聞デジタルより 2016/01/29 13:43)
両陛下は、戦後の節目ごとに「慰霊の旅」を重ねてきた。海外での日本人戦没者の慰霊は戦後60年だった2005年のサイパン、70年だった15年のパラオに次いで3回目となる。
今回のフィリピン訪問は国交正常化60周年の節目にあたり、友好親善を目的に国賓として招待された。両陛下は26日にマニラに到着、27日にはフィリピン人の慰霊のため「無名戦士の墓」に供花した。30日に帰国する。
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