日米両政府は2月18日、羽田空港からのアメリカ便を、現在の1日8往復から12往復に増やすことで合意した。このうち10往復は、これまで認められていなかった昼間(午前6時~午後11時)も発着可能となる。共同通信などが報じた。
■羽田発着、昼間帯はなぜ認められていなかったの?
毎日新聞によると、現在、羽田を出発するアメリカ路線は1日に8便のみ。しかも、出発時間は全て午後10時以降で、就航先はロサンゼルス、サンフランシスコ、ホノルルのみだった。全日本空輸、日本航空がそれぞれ2便ずつ、アメリカの航空会社、デルタ、ユナイテッド、アメリカン、ハワイアンの4社が1便ずつ運航しているだけで、ニューヨークやワシントンなどのアメリカ東海岸の都市への直行便は無かった。
羽田から昼間帯のアメリカ便が飛ばなかった背景を、東洋経済オンラインは、「日米間の協議が難航していたため」と解説している。アメリカ側が同国の4社をまとめきれない状況を、デルタの事情を挙げて次のように紹介した。
同社は成田に25枠という大きな発着枠を持ち、約800人の従業員やホテル、機内食工場などを抱えている。加えて、日米間だけでなく、中国やフィリピン、タイなど、日本と米国以外の第三国に飛べる「以遠権」を持つ。(中略)
羽田の国際化が進むことは、デルタにとって面白い話ではない。羽田から米国への昼間便が飛べば、一定の客が成田から流れ、成田のネットワークに少なからず影響が出るからだ。
(東洋経済オンライン「羽田から昼間帯の米国便が飛ばない事情」より 2014/05/14)
また、深夜帯にアメリカ東海岸に出発しても到着が深夜になることもあり、運航する会社はなかった。
■どう変わる?
朝日新聞デジタルによると、今回の合意を受け、昼間の10便と深夜・早朝(原則午後11時~翌午前6時)2便は、日本とアメリカの航空会社に半分ずつ配分される。このうち、深夜・早朝便はホノルル発着の2便だけになるとみられる。毎日新聞によると、日本側は2便とも全日空に割り当てる方向で、アメリカ側はこれから調整する。
昼間に発着が可能になることで、羽田空港を日中に出発しアメリカ東海岸に日中に到着することが可能となる。NHKニュースは旅行会社の担当者の話として、次のように伝えている。
JTBでアメリカ方面のツアーを担当する岩瀬昌子チームマネージャーは「昼間の時間帯に出発すると、現地に到着したあと余裕をもって滞在でき、帰国の際もその日のうちに自宅に帰ることができる人が増え、メリットは大きいと思う。同じ時間帯に成田か羽田か選ぶこともでき、選択肢が増えツアーの幅が広がる」と話しています。一方で、「羽田を昼間に出る便はビジネス需要が高くなるので、これまでどおりの価格を維持できるかという面では懸念がある」と話しています。
(羽田空港のアメリカ路線 昼間にも発着枠 NHKニュースより 2016/02/18 20:29)
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