北朝鮮が、友好国の中国を非難する、異例の論評を発表した。
朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は4月2日付の「論評」で、名指しは避けながらも、明らかに中国と分かる表現で、国連の制裁決議に同調した中国を批判した。
問題は、体面と大義名分を重視するという一部の大国さえ、アメリカの卑劣な強迫や要求に屈従し、安っぽい親米売春婦の臭いのする風に調子を合わせる、想像外のみじめな事態が公然と行われていることだ。
血で成し遂げられた共同の戦果である貴重な友誼関係もためらわず吐き出し、あの国、この国と密室野合して作り上げた結果という、正義と真理を押しつぶそうという、惨憺たる現実の前で、我々は、世界政治の虚像と真実を改めて明白に見通すことになる。
(労働新聞より 2016/04/02)
国連安全保障理事会は3月2日、北朝鮮の4度目の核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、鉱物の輸入禁止や貨物船舶の検査を強化するなど、制裁強化の決議を、中国を含む全会一致で採択した。
「血で成し遂げられた」とは、1950年の朝鮮戦争に中国が北朝鮮側について参戦したことを指す。論評は全体的にアメリカを批判する文章だが、ソ連崩壊後、北朝鮮の経済的な後ろ盾となってきた中国が、アメリカ主導の経済制裁に同調したことへの不満も示したとみられる。